Image by: FASHIONSNAP
三陽商会が、直営店および一部百貨店内のブランド各店舗で回収した自社中古衣類の中から、品質を担保したリユース品を「リ・サンヨー(RE: SANYO)」として販売することを発表した。リユース品は6月21日から「サンヨーG&Bアウトレット落合店」で取り扱っており、順次展開店舗を拡大していく。
同社は、日本のリユース市場の規模がコロナ禍の影響を受けずに右肩上がりの成長を続けていること、家庭から手放した衣料品がリユース・リサイクルを通じて再活用される割合が年々増加傾向にあることを受け、今年3月にリユースを前提とした自社商品の回収活動をスタート。現在は、EC・アウトレットを除く全国583売場で回収活動を実施しており、5月末までに1万点の中古衣料が集まったタイミングでリユース商品の販売に踏み切った。
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「リ・サンヨー」では、回収した衣料品の検品を自社社員が行い、リユース可能と判断したアイテムにクリーニング・アイロンがけなどを施した上で店頭で販売。基準をクリアできなかったアイテムは、提携企業 ECOMMITを通じて繊維製品の素材や固形燃料などに利用される。
店頭で販売されるリユース商品については、価格をトップス2200〜4400円、ボトムス4400円、ワンピース6600円、アウター7700〜9900円(全て税込)で統一。同社のアイテムはプロパー価格で5万円を超えるものも多くあり、アイテムによっては定価から9割以上の割引価格で購入が可能だ。販売ブランドには「マッキントッシュ ロンドン(MACKINTOSH LONDON)」や「ブルーレーベル・クレストブリッジ(BLUE LABEL CRESTBRIDGE)」をはじめとする全自社ブランドのほか、現在は展開を終了した過去ブランドも含まれる。なお、「バーバリー(BURBERRY)」などの契約を終了したライセンスブランドについては対象外だという。
同プロジェクトを通じて同社は、これまでリーチできていなかった新たな客層開拓を狙う。発表会に登壇した松尾峰秀経営統轄本部長は「現在の三陽商会のメインの顧客層は50代から70代。手が届きやすい価格でリユース品を販売することで、30代から40代の新しいお客様にブランドを知ってもらい、将来的にプロパー品を購入していただけるようになれば」と話す。
現在リユース品の販売店舗は「サンヨーG&Bアウトレット落合店」1店舗のみだが、2024年度下期中には「サンヨーG&Bアウトレット用賀店」「サンヨーG&Bアウトレット潮見店」でも展開をスタートする計画。リユース品の取り扱いは現時点ではアウトレット店舗に限定し、プロパー店舗での販売は行わない方針だ。松尾経営統轄本部長は「最長2年をトライアル期間に設定し、販売フローや価格などについて検討していく。3年後の目標については、検証を重ねてなるべく早い段階で発表したい」と語った。
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