キリンホールディングスが、持ち分法適用会社のファンケルの完全子会社化を目的とし、普通株式及び新株予約権をTOB(公開買付け)で追加取得することを決定した。年内にも全株式を取得し、完全子会社化を目指す。買収総額は約2200億円。
キリンは、発酵・バイオテクノロジーと免疫の研究開発力により、ヘルスサイエンス事業をグループの長期的成長を担う事業に育成するべく強化。ファンケルとは健康などの社会課題の解決を通じて自らも成長を目指すという理念や方向性の一致を背景に、2019年にファンケル株式の約33%を取得するとともに資本業務提携契約を締結した。以降、人財交流を通じ相互理解を深め、「素材・商品・ブランド開発」「共同研究・事業開発の推進」「インフラの相互利用」の分野で協働してきた。
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完全子会社化で、国内外の事業基盤や購買データの相互活用の強化、共同研究の深化、環境技術の水平展開など、現在の資本業務提携の枠組みを大きく上回るさまざまなシナジー効果を期待する。経営資源の相互活用や一体的経営の推進により、それぞれが持つ独自の強みを相互補完し、競争優位なビジネスモデルの構築を加速。発酵という自然な技術で生み出した素材を、顧客との強固な関係性から得られる顧客理解力を生かして商品化し、アジア・パシフィックにおいてマルチチャネルで顧客に届けることで、化粧品事業・健康食品事業の両分野で、健康課題解決に貢献。アジア・パシフィック最大級のヘルスサイエンス事業へ成長するべく両社が連携しながら事業を推進することで、キリングループ全体の成長と企業価値のさらなる向上を実現する。
なおTOB成立後、ファンケルの株式は上場廃止となる見込み。
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