OBP2Aは表皮にも発現し、肌にダメージを与えるストレス分子をフィルタリングして肌の正常な分化を維持する
Image by: 資生堂
資生堂が、肌の健康と美しさを維持するための新たなメカニズムとして、匂い結合タンパク質「OBP2A」(Odorant binding protein 2A)がヒトの表皮でも発現し、表皮バリアの一端を担っていることを発見した。
ヒトの鼻の内側に存在する匂い結合タンパク質OBP2Aは、細胞にダメージを与えるストレス分子をフィルタリングする機能があることで知られている。今回、研究においてOBP2Aが表皮でも発現していることを解明。OBP2Aを減少させた表皮細胞に、環境中にある匂い成分ノネナール(外的ストレス分子)と皮脂や汗などに含まれる成分であるオレイン酸、パルミトレイン酸(内的ストレス分子)を与えると、ストレス分子に対する防御力が低下し、細胞生存率が下がることがわかった。さらに、OBP2Aを減少させた表皮モデルでは表皮厚が薄くなり、肌のうるおい成分であるラメラ顆粒の分泌が減少することと、水分蒸散量が増加し表皮バリア機能が低下することを発見した。
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さらに、OBP2Aの発現量を高める効果のある成分についても研究を行い、ユリの一種であるマドンナリリーの花から抽出した「フランス産ホワイトリリー花エキス」に、表皮中のOBP2Aの発現を高める効果が見られた。このエキスが表皮厚を増やし水分蒸散量を低下させ、表皮バリア機能を高める。資生堂は、肌が本来持っている力を解明しその機能を強化することで、どんな環境でも揺るがない健やかで美しい肌の実現を目指す。
OBP2Aは表皮にも発現し、肌にダメージを与えるストレス分子をフィルタリングして肌の正常な分化を維持する
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表皮にもOBP2A(赤色部分)が発現している
OBP2Aが少ない表皮細胞にストレス分子を加えると細胞生存率が低下する
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