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セレクトショップ「ロンハーマン(Ron Herman)」が今年8月に日本上陸15周年を迎える。この節目を記念し、「Welcome, Beloved Future」をテーマに掲げ、様々なプロジェクトを始動。新たなメンズストア「アンダーアール(UNDER R)」のオープンに加えて、ジュエリーに特化したブティック「ロンハーマンジュエリー(Ron Herman JEWELRY)」の出店を予定している。
ロンハーマンは2009年8月に日本に上陸し、海外初の旗艦店をオープンした。日本における独占ライセンス契約を締結したサザビーリーグ(現・リトルリーグ インク)の本社1階に店舗を構え、メンズ、ウィメンズ、キッズ向けにカジュアルからラグジュアリーまで幅広い商品を提案し続けている。
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ロンハーマン事業部長の根岸由香里によれば、2019年の10周年は「感謝を伝える10周年」と位置付けたが、15周年を迎える今回は未来に向けた提案を強化したいという考えから、テーマに「Welcome, Beloved Future」を設定。多様なブランドとタッグを組んだ別注アイテムの展開だけではなく、新たなチャレンジとして新業態の出店に取り組む。
ロンハーマン千駄ヶ谷店の並びに出店するアンダーアールでは、「RHC ロンハーマン(RHC Ron Herman)」のメンバーを含む若手チームが主体となり、近年生まれているという面白いユースカルチャーを、ロンハーマンのスタイルを受け継ぎながら提案。ギアやウェアをラインナップする「現代のスポーツ用品店」を打ち出す。ターゲットも若い世代を想定するが、「単純な若いエネルギーというより、ユースのマインドを持った面白い人たちを年齢関係なく巻き込んでいきたい」と根岸は期待を寄せる。オープンまでの期間は、同ショップのコンセプトを体現する様々なイベントを開催しており、5月26日まで約1週間はフォトグラファーのデイヴィッド・ムシュゲイン(David Mushegain)が撮り収めたレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(RED HOT CHILI PEPPERS)のエキシビションが開かれた。根岸は「レッド・ホット・チリ・ペッパーズは活動歴こそ長いが、常に更新し続けている“ユースのマインドを持ったバンド”。若いファンもたくさんいる」と話し、アンダーアールでも同様の店舗を目指していく。なお、6月1日からはニューヨーク在住のヘアスタイリストNEROとのイベントがスタートする。アンダーアールとしてのオープン日は8月末を予定している。
ロンハーマンジュエリーでは、ロンハーマンのジュエリーコーナーを象徴するブティックとして都内に出店。根岸はロンハーマンのジュエリーコーナーにもかねてより力を入れており、ジュエリーをファッションの一部としてスタイリングするために全身鏡を設けるなど売り場づくりも工夫してきた。オープンに合わせた新規ブランドの導入は予定しておらず、あくまでも現在のロンハーマンのジュエリーコーナーをブティックに落とし込むという。オープンは8月末で、具体的な出店先は後日公表する。
別注アイテムは「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」や「ジル サンダー(JIL SANDER)」「アニヤ・ハインドマーチ(Anya Hindmarch)」「オーエーエムシー(OAMC)」「マノロ ブラニク(MANOLO BLAHNIK)」「ポロ ラルフ ローレン(Polo Ralph Lauren)」「スピネリキルコリン(Spinelli Kilcollin)」などのブランドとタッグ。「マリーエレーヌ ドゥ タイヤック(Marie-Hélène de Taillac)」では通常入荷待ちとなっている一点物のリングを一挙に展開し、「ミズキ(MIZUKI)」では手持ちのジュエリーを生まれ変わらせるリフォームプロジェクトを始動する。目玉の一つとも言える「カール・ハンセン&サン(Carl Hansen & Søn)」は、リビングのバイヤーチームがカリフォルニアをイメージした色をパントン(PANTONE)のカラーに落とし込んだ7色展開の「Yチェア」特別バージョンを各色10脚限定で発売。Yチェアにはシリアルナンバーが刻印される。
アニヤ・ハインドマーチ
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このほか、未来に向けたプロジェクトとして、近年強化しているサステナビリティへの取り組みの最新レポートを公開。2019年時点では0%だったプロパー店舗のセール廃止率は67%(21店舗中14店舗)、プロパー消化率は77%に拡大し、オリジナル商品の環境配慮型素材の割合も半分を超えた(いずれも2023年度実績)。2023年はスパイバー(Spiber)の「ブリュード・プロテイン素材(Brewed Protein)」を採用した2023年秋冬コレクションを発表するなど、新素材も積極的に取り入れており、今後もサステナビリティを強化する姿勢だ。
日本上陸15周年でロンハーマンの国内認知も高まったが、根岸は「ファッションが好きな方など、まだ一部の方にしか知られていない」と振り返る。「以前まではそれでいいと思っていたが、サステナビリティを含めて多くの方に届けたいものがある。自分たちが『これでいいんだ』と閉じこもる時代ではなくなった。その中で、好きになってもらえるかどうかわからないけれど、とにかくもっと多くの人に知ってもらいたい」とし、15周年の先のロンハーマンの展開に意欲を示した。
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