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欧州議会は、企業に人権や環境への悪影響を予防・是正することを義務化する「企業サステナビリティ・デューデリジェンス指令案」を4月24日に採択した。今後はEU理事会による正式な承認を得た後、2029年から、EU加盟国内で事業を展開する従業員1000人以上、全世界の売上高が4億5000万ユーロ(約748億8562万円)以上のすべての企業に適用される見通しだ。
今回採択された指令案では、該当する企業に対し、自社とそのサプライチェーンにおける供給・生産・流通のパートナーが、人権や環境への悪影響を引き起こしていないかどうかについての確認と改善を義務化。悪影響の具体例としては、強制労働や児童労働、労働搾取、生物多様性の喪失、環境汚染、自然遺産の破壊などが含まれる。違反企業には、社名の公表や全世界の売上高の最大5%にあたる罰金といった罰則が課されるほか、被害者に対する損害の全額補償も義務付けられる。従業員数と売上高の条件に該当するEU企業とその親会社に加え、EU加盟国内でフランチャイズやライセンス事業を展開する企業も対象となる。
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また対象企業は、パリ協定で合意した地球温暖化対策の努力目標を達成するための移行計画の作成も必要となるという。
同指令案は、欧州委員会が2022年2月に提案。2023年12月に欧州理事会と欧州議会による合意に至ったものの、欧州産業界からの強い反発を背景に加盟国からの反対が続出し、採択が難航していた。今回、賛成374票、反対235票、棄権19票で可決された。
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