国内アパレル関連大手各社が2024年3月度の既存店売上高を発表した。ファーストリテイリングの国内ユニクロ事業やアダストリア、ワークマン、バロックジャパンリミテッドなどの企業では、例年と比べて気温が低く推移したことで春物商品の販売が伸び悩み、前年同月比で減収となった。一方で、一部の企業では新生活シーズンで家具や家電など好調なアイテム群も見られた。
ファーストリテイリングの国内ユニクロ3月度は、前年が11.9%増と大きく数字を伸ばした反動もあり、前年同月比1.5%減。例年より気温が高く推移した2月は「エアリズム」商品が早くも動き出すなど好調だったが、気温が再び下がったことで3月は春物の動きが鈍り、ヒートテックインナーやウルトラライトダウンなどの冬物商材が売れ筋となった。「本来春物が売れる3月に気温が下がってしまったので減収となってしまったが、4月に気温が上昇すれば一気に動くのでは」とユニクロ広報担当者。
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アダストリアは、前年と比べて休日が2日多かったことで前年同月比で3.4ポイントのプラス影響があったと試算したものの、月上旬の気温低下で春物が伸びず、同0.8%減で着地。全体的な売上は振るわなかったものの、新生活シーズンということで家具が好調で、特に「ニコアンド(niko and ...)」のソファーやマルチクロスが売れたという。アダストリアの広報担当者は「4月は気温上昇が予想されるので、『グローバルワーク(GLOBAL WORK)』のさらさらリラックスシリーズなど、春から初夏にかけての商材の伸びに期待したい」と話した。
苦戦を強いられた企業が多い中で良品計画は、会員向けセール「無印良品週間」が好調に推移したことが寄与し、衣服・雑貨、生活雑貨、食品といった全てのカテゴリーで前年実績を超えた。特に生活雑貨カテゴリーと食品カテゴリーが好調で、それぞれ同22.1%増、23.6%増と売上を牽引。生活雑貨カテゴリーでは、スキンケア用品「敏感肌用シリーズ」のほか、新生活需要もあり空気清浄機やアロマディフューザーなどの家電が売れた。
■2023年3月度 各社実績(三陽商会以外はすべて既存店ベース/前年同月比)
国内ユニクロ事業(既存店+Eコマース)
売上高:98.5%
客数:92.3%
客単価:106.7%
しまむら
売上高:101.1%
客数:103.1%
客単価:98.1%
良品計画(直営既存店+オンラインストア)
売上高:116.1%
客数:108.1%
客単価:107.4%
アダストリア
売上高:99.2%
客数:98.1%
客単価:101.1%
ユナイテッドアローズ(小売+ネット通販 既存店)
売上高:104.6%
客数:100.0%
客単価:106.1%
ワークマン
売上高:97.2%
客数:98.2%
客単価:99.0%
バロックジャパンリミテッド
売上高:90.6%
客数:91.0%
客単価:99.6%
三陽商会
売上高
百貨店:95%
直営店:100%
EC:90%
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