Image by: mukcyen
デザイナーの木村由佳が手掛ける新ブランド「ムッシャン(mukcyen)」が2024年秋冬コレクションでデビューする。木村は文化服装学院を卒業後、 世界的な有名デザイナーズブランドの企画部で4年間経験を積んだのち、2023年夏に「エムエーエスユー(M A S U)」などを擁するSOHKIのもとで、自身のブランドとなるムッシャンを設立した。
ブランド名の「mukcyen」は、日本生まれ中国育ちというバックグラウンドを持つデザイナーの苗字の中国語読みである「mù cūn」を元にした造語となっており、「抽象的で無意味な言葉に、自らが築く歴史と文化を附与することで無類の意を与えていく」という思いを込めたという。
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ファーストコレクションでは、土地などが荒れ果てているさまを意味する「荒蕪 ; rugged」をコンセプトに、人間が無から生まれ、さまざまな経験や営み、感情などに触れていく中で人間性や意味を有していった後に、死によって再び無に帰していくという、人間の生と死をめぐる「有と無」の連続性や関係性にまつわる、循環とその過程を表現。その一つの象徴として「木乃伊(ミイラ)」から着想を得て、ミイラの乾いた肌や、包帯や布が皮膚に重ねられたさまなどをデザインや素材に落とし込んだ、ざらついた質感のベージュカラーのファブリックを用いたジャケットやベスト、ヴィンテージサテンのキャミソール、ショルダーパッドが強調されたシアーなロングスリーブシャツ、レースとサテンのペチコートのセットアップ、パーツがつぎはぎされたようなアシンメトリーなデザインのニットカーディガンなど、計44型をラインナップする。
Image by: mukcyen
ブランドデビュー前ながら、個人のインスタグラムアカウントでは20万人以上のフォロワーを持つデザイナーの木村は、既にインスタグラム上で独自の世界観や美的感覚を披露し、多くの支持を獲得。自身のブランドの初コレクションでもそれらは存分に発揮されており、「トレンド」や「万人受け」とは一線を画すような、奥行きや深みのある物語や背景と、陰影、湿度、手触りといった質感を五感で感じられるユニークな世界観と感性が、一つひとつのアイテムやコレクション全体に豊かに表現されている。イギリス人フォトグラファーのルーク・アビー(Luke Abby)が撮影を担当したというルックからも、その独自性の高さが窺える。
Image by: FASHIONSNAP
Image by: FASHIONSNAP
デザイナーの木村が「ブランドのターゲットや人物像といった枠は作りたくない。性別や年齢や立場を問わず、このブランドの表現する世界観やアイテムに共感してくれる、着たいと思ってくれる人に着てほしい」と語るように、同ブランドのアイテムには、ボディスーツやレギンス、シアーでボディコンシャスなメッシュやサテン素材のトップスやペチコート、オーガンジーのコルセット、前後左右様々な場所にファスナーディテールをあしらったジャケットやミニスカート、多様な装飾や素材を用いたベルトなど、自由で多彩な着こなしやレイヤードを前提としたアイテムが多い。また、セカンドスキンのようなボディコンシャスで薄手のアイテムが多いからこそ、「肌触りや着心地の良い素材使いや、着る人それぞれが持つ体型のよさを引き出せるようなシルエットを意識した」と細部へのこだわりも見せる。
Image by: FASHIONSNAP
ファーストコレクションの価格帯は、カットソーが2万900〜2万9700円、シャツ・ブラウスが3万9600〜4万7300円、ニットが4万4000〜5万9400円、スカートが1万7600〜17万6000円、パンツが4万9500〜8万5800円、アウターが8万5800〜24万2000円、帽子が1万2100〜1万6500円、ベルトが1万5400〜6万6000円(全て税込)。
今後は年に2回、春夏と秋冬に分けて新作コレクションの発表を予定。ブランド公式サイトのオープンや取り扱い店舗などの情報は、決まり次第追って告知されるという。
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