デザイナーのRei Kobayashiが手掛けるニットウェアを中心としたウィメンズウェアブランド「リインク(reink)」が2024年秋冬コレクションでデビューする。東京・神宮前で3月31日まで受注会を行っており、デリバリーは9月を予定している。
Kobayashiは、杉野服飾大学卒業後に渡英し、セントラル・セント・マーチンズ (Central Saint Martins、以下セントマ)でファッション・テキスタイルを学んだ。帰国後にアパレル企業やメンズウェアブランドで経験を積み、フリーランスのデザイナーを経てブランドを設立。選ぶ糸や編み方次第で多様なテキスタイルを生み出せるニットの自由さに魅力を感じ、学生時代からアートピースのようなニットウェアを制作してきたという同氏は、リインクでもニットウェアを中心に展開する。
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ブランド名の由来は、Kobayashiの名前にもある「Rei」という文字を有する「再びインクを付ける」という意味の「reink」。過去のヒストリーやカルチャーに焦点を当て、リサーチや想像を重ねることで、ブランド独自のストーリーを作り服に落とし込むというコンセプトを表現している。
ファーストコレクションのテーマは、「Lunch atop a Skyscrapper」。1932年にニューヨークのロックフェラーセンターの建設中に撮影された白黒写真「摩天楼の頂上でランチ」に、「東京で忙しなく暮らしていると、日常の出来事の背景にあるプロセスを忘れがちだ」という感覚を想起したというKobayashiは、同写真が撮影された当時のことをリサーチする過程で出会った、同時期に活動していたペインターのフランツ・クライン(Franz Kline)が描く力強いドローイングに大きく聳え立つニューヨークの建物を重ねたという。コレクションのアイテムには、地上から見上げたり、作業現場から見下ろしたりと、写真の中の建設作業員たちが見ていたであろう様々な角度から見た建物の多様な表情を想像し、ビルが連なる景色を描いたポロシャツ(9万3500円)や立ち並ぶ建物をクローズアップしその陰影を表現したセーター(8万2500円)などドローイングのイメージを手編みで表現したアイテムや、作業員のワークウェアのディテールにフォーカスしたアイテムを揃える。
ファーストコレクションは全7型で、ニットアイテムを6型、布帛のシャツを1型をラインナップ。作業着として着られていたデニムの風合いを3色の毛糸の編み合わせと独自の編み地で表現したジャケット(8万9100円)とパンツ(5万6100円)は、ホールガーメント機で細かく編み地を調整することで、ひとつの生地の中で繊細なデニムのステッチを表現している。
一般的に「男の子向け」とされるものへの憧れが強い幼少期を過ごし、セントマ時代も「男子の青春」をテーマに作品を制作していた女性デザイナーであるKobayashiは、メンズ要素が強いウェアに、ウィメンズのディテールを小物で取り入れるスタイルを提案。ファーストシーズンでは、ウィメンズブランドでよく見られるミニバッグ(1万9800円/全て税込)を極太の糸を使用した力強さのある編み地で表現した。「男性・少年的なものへの憧れを持ちながらも、社会から向けられるステレオタイプな女性像への葛藤を感じてきた」というKobayashiは、「自分らしい力強さを纏いたい女性に着ていただきたい」と話している。
◾️reink受注会
期間:2024年3月23日(土)〜3月31日(日)
会場:BLOCK HOUSE
所在地:東京都渋谷区神宮前6-12-9 4階
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