Image by: Perceptist
ロンドンのセントラル・セント・マーチンズ (Central Saint Martins)卒のデザイナー 鳥羽貴絵が手掛ける新ブランド「パーセプティスト(Perceptist)」が、2024年秋冬コレクションでデビューする。鳥羽は2013年に同校を卒業後、日本で複数のファッションブランドに従事。その後、2023年に自身のブランドとなるパーセプティストを立ち上げた。
ブランド名の「Perceptist」は、「五感による知覚・見識」という意味をもつ単語「perception」に由来。「Inner - lives of silhouette / Structural resonance」をコンセプトに、根源的なフォルムと実験的な彫刻的アプローチを組み合わせることで、着用者の個性や内面と服が“共鳴(resonance)” するようなユニークなシルエットのウェアを提案する。ブランドのメインターゲットは、ファッションに限らず美術や社会問題など様々なことに関心を持ち、自身の興味関心を追求している30〜50代の女性を想定しているという。
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Image by: Perceptist
同ブランドが特徴とするのは、デザイナーの自由な発想から生み出したという独自のバランスやシルエットだ。ブランドのアイコニックなアイテムであるコートやスーツは、メンズの型を女性の身体に沿うように再構築することで、大きめのシルエットでありながら肩のラインは綺麗に収まるなど、女性の身体に馴染むような美しいシルエットを実現。また、身頃のバランスに対して深いアームホールや太い袖、立体的な構造の大きなバックヨークを採用するなど、「機能性や美しさは保ちつつも、綺麗すぎないアンバランスさのあるパターンやシルエットを、パタンナーと共に1から作り上げることにこだわった」と鳥羽は話す。構築的で立体的なシルエットを引き立てるため、素材には尾州産のウール地などを中心とした、上質かつシンプルなファブリックを選んだという。
Image by: Perceptist
ファーストコレクションでは、デザイナー自身が留学時代に日常的に目にし、その姿形やアティテュードに「強く深い女性性」を感じたという、宗教服を身に纏う女性たちの姿から着想を得たアイテムを展開。修道女のようなスカーフモチーフのヨークを後ろ身頃にデザインしたトレンチコート(16万4200円)やサテンラペルのロングローブ(11万8400円)、メンズのパターンを基に女性の身体に馴染むフォルムに仕上げたテーラードジャケット(8万9000円)、メンズトラウザーにラップスカートを組み合わせた、マスキュリンかつエレガントなシルエットのトラウザー(8万2900円)とスカート(8万1200円)、変形スリーブやカフスの長さ、ステッチ幅といったディテールにこだわったタイプライターシャツ(4万9000円)、ドレープを身体に巻きつけたような彫刻的で立体的なシルエットが美しいドレープドレス(12万1000円)、ドレスのように纏えるハイウエストのバルーントラウザー(6万9000円/全て税込)など、宗教服に見られる特徴的なシルエットとその女性像を再構築して落とし込んだ、計8型をラインナップする。
ルックには、舞踏家・振付家の中村恩恵をモデルとして起用。「自分の感性にまっすぐに生き、自分自身を表現し追求しているような人に着てほしい」との思いから、通常のモデルではなく中村をブランドのミューズとして選んだという。
今後は年に2回、春夏と秋冬に分けて新作コレクションの発表を予定。セレクトショップなど、まずは直接商品に触れてもらえる実店舗での取り扱いを経たのち、ブランド公式サイトでのオンライン販売なども視野に入れているという。
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