造形的なすばらしさ、機能性への工夫などが感じられる興味深い衣服を「オモシロイフク」として展示する『”オモシロイフク”大図鑑』が、2024年3月11日から6月22日まで、東京都の文化学園服飾博物館で開催されます。
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「オモシロイフク」は、国や地域によって異なる気候への適応、外敵から身を守るための防御など、生命を維持するためであったり、それぞれの文化で培われた思想に基づいたものであったりします。
今回の展覧会では世界中に存在する「オモシロイフク」を、「ながい」「おおきい」「まるい」「たかい」などの特徴に分けて紹介。同時に、フォルムのおもしろさだけではなく、なぜそのような形状になったのかの意味も探ります。
【 ながい 】
1970~80年代に、インドで着用されていた上衣。着丈は短く、袖は非常に長い作りです。この長くぴったりとした袖をたくし上げることで、袖口からの虫の侵入を防ぐなど、砂漠地帯の遊牧民ならではの工夫がされています。
【 おおきい 】
カラカはヨルダンのサルトという地方で着られていた木綿のドレス。世界最大のドレスとも言われ、なんと丈が3メートル以上もあるのだとか。片袖を頭にかけてベールにし、もう片方の袖を腕に巻くように着用します。防寒着の役割も果たしているそう。今では現地で見つけることも難しいと言われる、貴重なコレクションです。
【 まるい 】
インドなどの高温多湿地域で衣服は、1枚の布を身体に巻き付けていく代表的な衣装・サリーのように、ひだがあることで外気を通し、直射日光から肌を守る目的もあります。また、広げるとまるくなるほどたっぷりのフリルが特徴のガガラは貴重な布をたっぷり使えることが富の象徴でもあり、接ぎ布の多いものが好んで着用されました。
【 たかい 】
高底鞋は、満州族の皇后や皇妃など位の高い女性たちが着用した靴の一種。満州族は冬は雪が多いため、裾を汚さないように底の高い高底靴を履いていたことが起源と言われています。日本で舞妓さんなどが履く木履や、かつて花魁が履いた高下駄に似ています。
【 おもい 】
鎖帷子は鎧形式の防具の一種であり、甲冑や衣服の下に着用することから「着込み」とも呼ばれます。非常に強度が高く、新選組も着用していたのだとか。
約30ヵ国のバラエティーあふれる衣服が並ぶ展覧会『”オモシロイフク”大図鑑』。思いもよらない発想や驚きの知恵など、我々の固定観念を超えた多様な衣服造形を感じられるはずです。
【INFORMATION】
“オモシロイフク”大図鑑
会場:文化学園服飾博物館
会期:2024年3月11日(月)~6月22日(土)
※休館日:日曜、祝日、振替休日 ※5月26日(日)、6月16日(日)は開館
時間:10:00~16:30
※4月19日(金)、6月7日(金)は19:00閉館 ※入館は閉館の30分前まで
公式サイト:https://museum.bunka.ac.jp/exhibition/exhibition5432/
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