「描く」ことで先入観が崩れていく

原宿・とんちゃん通りのtHE GALLERY HARAJUKUにて、信英（shinyoung）による初個展「ALL THINGS MUST PASS」が開催。期間は、2024年2月23日（金）～3月3日（日）まで。

tHE GALLERY HARAJUKUは、編集者・アーティストとして知られる米原康正がキュレーションするギャラリー。先日2月18日（日）までは、好都（YOSHITO）による個展「sweet shimmering」が開催されていた。

今回、初の個展を開催する信英は1999年生まれ、東京藝術大学デザイン科在学中のアーティスト。花と生き物を描いた絵画を中心に、独自の物語を題材とした立体作品やアニメーションなどを制作している。

本展について信英は「私の作品は自分の嫌いなものをドローイングすることからインスピレーションを得ている。『描く』という行為は、対象について一定の値まで理解しなければならず、嫌いなものもよくみて観察しないといけない。（中略）ドローイングを通して「描く」ことで、私の中の先入観は崩れていく。目を開けて向き合うもの、目を閉じて感じるもの、その間のどこかの世界を描き表現している」とコメント。

また本展のキュレーターを務める米原康正も、こうコメントを寄せている。「（一部省略）可愛いとは人それぞれの個人的な基準であるにも関わらず、実社会にはこれを可愛いと呼びなさい、というさまざまな刷り込みがいろんな場所に潜んでいる。そこを分かった上で自分自身の可愛さに気づくこと。それこそ社会の洗脳から逃れるためのまず第一歩だと彼女の作品は教えてくれる」

カワイイにあふれる街・原宿で、固定概念にとらわれず、信英の作品を眺めてみよう。ギャラリーを出る頃には、自分なりの価値観に気づき、新しい視点で街の中にあふれる「カワイイ」に触れられるはずだ。

■概要
信英 “ALL THINGS MUST PASS”
開催期間：2024年2月23日（金）～3月3日（日）
会場：tHE GALLERY HARAJUKU
住所：東京都神宮前3-20-21 ベルウッド原宿1階-C
時間：11:00～19:00
定休日：月、火

Text：miwo tsuji