特別な没入感を味わえるインタラクティブミラー「+PLUS MIRROR」。AIカメラによるアイテムレコメンドやさまざまなAIタイプ診断で、あなたの本当の「似合う」が見つかると、今話題となっている。そこで今回は開発元のInnovation Studioにインタビューを行い、「+PLUS MIRROR」の魅力を探ってみた。
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PROFILE|プロフィール
加藤 利典(かとう としのり)
株式会社Innovation Studio代表取締役 兼 株式会社デイトナ・インターナショナル取締役CDO
外資系ファッション企業を経て2002年にベイクルーズグループに入社。担当役員としてEC事業、システム開発、デジタルマーケ、DX推進を管掌。2021年にDX支援を目的とした会社を設立後、PEファンドのユニゾンキャピタルと戦略的パートナーシップを締結し、アドバイザーに就任。同時に株式会社デイトナ・インターナショナルにJOINし取締役CDOとしてDX領域を管掌。2023年9月にはデジタル領域の子会社として設立した株式会社Innovation Studioの代表も兼務。
+PLUS MIRRORで、多角的な視点から挑戦を後押し
「+PLUS MIRROR」とは、オンラインの強みである検索性とオフラインの強みである偶発的消費を掛け合わせた体験を作るインタラクティブミラーである。 同社はオフラインとオンラインの良さを融合したOMO店舗作りの一環として、「+PLUS MIRROR」を開発した。
「『+PLUS MIRROR』は、自己認識を多角的に深め、新しい発見や偶発的な消費を促進します。商品タグのスキャンや画像認識AIによる検索性を備え、アイテムタグスキャン、AIカメラレコメンド、フェイス・パーソナルカラー診断などの機能を通して、楽しみながらお買い物や新しい体験を提供します。
これにより、実店舗の体験価値向上と店舗スタッフとお客様のコミュニケーションを活性化させることを目指しています。
診断結果はもちろんWEBページでも確認可能ですが、オフラインの魅力も重視し、特別なオリジナルカルテもご提供しています。
このカルテは友達と共有して楽しむことや、店舗スタッフとのより深い接客体験に繋げることができ、より豊かなショッピング体験をお届けすることを目的としています」
近年、パーソナライズ事業は急速に進化している。この流れのなかで、「+PLUS MIRROR」は、「本当の“似合う”が見つかる!」というコンセプトのもと、AIカメラを活用し、さまざまな機能を提供している。
なぜこのコンセプトを選んだのかについて、同社は「似合うものを見つける」ことや「新しい自分を知る」ことは、年齢や好み、性別を問わず、多くの人に共通する永遠のテーマであるとの考えを持っていた。
「普段は選ばないけれど、新しいアイテムやテイストに挑戦するとき、勇気がいると思います。そして勇気を出して新しい自分になれたときは、明るく前向きな気持ちになり、その人のその日の気分やマインド、行動までをも変えるパワーがありますよね。
そんな素敵なパワーを持つ、挑戦の後押しができるようなコンテンツを作りたいと思いました。
『+PLUS MIRROR』は多角的な観点で新しい挑戦を後押しできるような構成を意識して開発しています。ご自身の容姿・好み・気分に『似合う』アイテムを見つけるお手伝いをし、気分や生活を明るくハッピーにできるようなユーザー体験をご提供したいと考えています」
本当の“似合う”が見つかる機能
ここからは「+PLUS MIRROR」に搭載された、本当の“似合う”が見つかる機能について聞いていこう。
まずは、商品タグのスキャンやAIカメラによるコーディネートアイテムの識別について。これはAIカメラで撮影することで、着用アイテムをAIが瞬時に判定し、おすすめのコーディネートを提案してくれる機能だ。
「実店舗の利点のひとつには、商品を手に取って実際に見ることができることですが、欠点として検索性が挙げられます。特定の商品を探したり、類似品を見つけたりする場合、実店舗では棚を巡回して探す必要があります。
一方、ECサイトでは多岐にわたる検索軸を利用して簡単に条件に合った商品を見つけることができます。この新機能では、実際に興味を持った商品に関して、その商品のスタイリング例や似た商品、実際に購入したユーザーのレビュー情報を手軽に閲覧できます。
これにより、実店舗で商品を手に取りながら、ECサイトと同じような感覚で情報を得られるので、お客様に後悔のないショッピング体験を提供できると考えています
ファッションタイプ診断では、ユーザーの直感的な選択から潜在的な好みを識別し、おすすめのコーディネートを提案する。この診断がファッション選びにおいて、どのように役立つのだろうか。
「ご来店の際、趣味や好みが明確な方もいますが、なかには自分の好みや気になるアイテムをまだ特定できていないお客様もたくさんいます。この診断を通じて、お客様は自分の好みの傾向を知り、今気になっているアイテムやテイストがどのようなものかに気づくことができます。
また、大型商業施設のような多くのブランドが立地する環境においては、館内で横断的にブランドを紹介するのが難しいという課題に対処する手段として、診断を通じて客観的に館内のブランドをレコメンドできたり、テイスト的に近いブランドを示すことでブランド認知にも寄与しています。
診断結果には館内の場所も添えられ、実際の館内巡りを促進する一環としても活用されています」
さらに、AIカメラによるフェイス・パーソナルカラー診断も搭載されており、タイプに合ったファッションやメイクを提案してくれるのも「+PLUS MIRROR」の大きな特徴だ。
「自分に似合うアイテムやスタイルを知りたいという願望は、年齢や性別に関係なく多くの人に共通しています。このため、カラー診断やフェイス診断など、サロンで料金を支払って受ける方も多いです。
しかし、面談形式の診断は費用や時間がかかるため、ハードルが高いこともあります。
そこで、気軽に願望に応えるコンテンツを制作しました。実際に体験したお客様の89%がアイテム選びの参考になったと回答しており、通常選ばないアイテムに挑戦するきっかけとなり、新たなスタイルに挑戦する勇気を与えていると感じています」
加えて、12星座マインド診断という機能もある。ユーザーの星座と直感的なモチーフの選択を組み合わせた結果から、おすすめのアイテムとコーディネートを提案するものだ。
この機能の搭載について、気分や情緒に寄り添った提案ができるような機能が欲しいという思いがきっかけにあると話してくれた。
「TVや雑誌の占いコーナーをなんとなく眺めて今日はこうしようかな、ああしようかなと考えた経験は誰しもがあると思います。
この診断では、お客様の星座と直感で選択いただいたモチーフを基に星回りの計算を行い、運勢を診断しています。実際に体験してくださったお客様には気軽に楽しんでいただきながら、商品をご覧いただく機会を創出することができています。
また、ビジネス的な観点から見ると、こちらの診断は毎日星座と選んだモチーフに合わせて結果が変わるので、何回も使って楽しんでいただけるリピート性を持った機能としても活用されています」
楽しみながら、つい買い物もしたくなるような機能を拡充
リリース後、「+PLUS MIRROR」はルミネ新宿や三井ショッピングパーク ららぽーとTOKYO-BAYなどに設置され、ときには1時間以上の長蛇の列を作るなど、大きな反響があった。利用後のアンケートでは90%が「また使ってみたい」との評価もあり、ユーザーの満足度も高い結果となった。
今後、「+PLUS MIRROR」はどのようにアップデートされていくのか、最後に聞いてみた。
「楽しみながら買い物を促進する機能の拡充を今後も目指しています。
最近では新たに『骨格シセイ診断』機能をリリースしました。一般的には3分類の骨格診断が多いですが、より詳細12タイプに分類にし、さらに一人ひとりの体の特徴に合わせて100人いたら100通りの結果が出てくる超パーソナライズされた診断機能です。パーツごとの特徴やお客様のボディバランスに合わせた着こなしの提案があり、かなり見応えのある内容になっています。
さらに、ミニゲーム機能も導入されています。お子様から大人まで楽しめ、ゲームのスコアに応じてクーポンが獲得できる仕組みとなっています。
今後もファッションの枠にとらわれず、ミラーを通して楽しい体験を提供し、集客や購買につながるような新しい機能を開発していく予定です」
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