サマンサタバサジャパンリミテッド(以下、サマンサタバサ)が、コナカとの株式交換による経営統合に向け、基本合意したことを発表した。2月20日開催の両社取締役会で決議した。株式交換が実行された場合、サマンサタバサはコナカの完全子会社となり、上場廃止となる。
サマンサタバサは、2020年2月期から2023年2月期まで4期連続で営業損失、経常損失を計上し、2017年2月期から2023年2月期まで7期連続で当期純損失を計上。2022年下半期以降は、固定資産の売却や、コナカを引受先とする18億円のA種種類株式の発行と減資、また同社への度重なる運転資金の追加借入や、従業員への冬季賞与の不支給など、構造改革を行ってきた。しかし、不採算店舗の撤退に伴う店舗数の減少により、顧客の来店数が前年を大きく下回ったことから、2024年2月期の売上高は前期から6.3%減少の236億4000万円に留まり、5期連続の営業損失と経常損失、そして8期連続の当期純損失を計上する見込みだという。また、同社は合併などの実質的存続性喪失に係る猶予期間に入っており、2月29日までに新規上場審査の基準に満たない場合、上場廃止となる恐れがあることから、コナカとの経営統合の検討に至ったという。
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両社は、今回締結した基本合意を踏まえ、4月中旬に最終契約を締結。5月下旬に株主総会を開き、6月26日を売買最終日、6月27日を上場廃止日、7月1日を株式交換の効力発生日とする予定だという。株主に対する対価の内容と株式交換比率については、デュー・ディリジェンスの結果や、第三者算定機関による株価算定の結果を踏まえ、最終契約の締結までに決定する。
サマンサタバサは、経営統合後、これまで以上に情報や人的資源の共有を進め、相互の経営資源を有効活用する方針を発表。同社の主要販路である百貨店をはじめ、都市型商業施設やモール型商業施設、ECで培ってきた事業ノウハウ、ウィメンズのファッション領域に関する知見を活かしたコナカグループ全体の事業促進に加え、コナカが持つ知見を活かした新商品の開発と新規顧客の獲得していく狙い。なお、両社それぞれの強みを活かした事業展開を目的とした経営統合としていることから、合併の予定はないという。
なお、コナカの2023年9月期の売上高は、前期の631億7400万円から4.1%増の657億9700万円で、連結営業損益は9億1200万円の赤字、当期純損益は1億6100万円の赤字を記録。営業損益、純損益ともに2018年9月期から6期連続の営業赤字となっている。
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