シャネル(CHANEL)を主導に、クラランス グループ(Clarins)やディオール(DIOR)、エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)、ロレアルグループ(L'Oréal)、資生堂など15社の化粧品業界企業が、サプライチェーンのトレーサビリティ向上に取り組むための「トレーサビリティ連合(Traceability Alliance for Sustainable Cosmetics、以下TRASCE)」を設立した。国際的なサプライヤーネットワーク「ISN」のデジタルプラットフォーム「Transparency-One」を活用し、化粧品のトレーサビリティ(透明性)を向上させる。公式スポンサーを務めるフランス化粧品・トイレタリー企業連合(Fédération des Entreprises de la Beauté、FEBEA)が、今回の設立についてリリースした。
TRASCEは今年1月23日に発足した。設立メンバーは上記ほか、ロクシタングループ(L'OCCITANE Group)やニュクス(NUXE)などの化粧品メーカーや、パッケージ製造企業、原料メーカーなど幅広い企業が参画する。
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TRASCEはサプライチェーン(原材料調達から開発・製造・消費者の手元に製品が届くまでの一連の流れ)のトレーサビリティ向上に焦点を当て、Transparency-Oneを活用し、原材料の原産地、加工場所、供給・製造業者の詳細を共有。データの所有権、安全性、機密性など、バリューチェーン全体の情報をマッピングする。さらに気候危機や国際紛争、健康に対する懸念から生じたサプライチェーンの課題に対処するという。TRASCEは声明で「サプライチェーンへの理解促進、社会的・環境的リスクの軽減、持続可能なビジネスモデルへの移行を支援する」と述べている。
今回の連合設立について、シャネルのインターナショナル ディレクターのジュリアン・ギャリー氏(Julien Garry)は、サプライチェーンの追跡に関する限界を指摘し「各社に協力してもらうことでサプライチェーンを広範に追跡する提案をした」とし、エスティ ローダー カンパニーズのメーガン・ライアン氏(Meghan Ryan)は「デジタルツールの共有と密な協力により、責任ある調達と透明性向上の機会を生む」と伝えている。
今回導入するTransparency-Oneは使用される原材料やコンポーネント、原産地、サプライヤーの活動と加工場所、サプライヤーの名前など、各サプライヤーが共有するデータの所有権、セキュリティ、機密性を保証。食品業界や自動車業界など、他の活動分野でも大規模なトレーサビリティ手順の導入に成功している。
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