「ティー(TTTMSW)」を手掛ける玉田翔太が、初となる店舗「N!ce shop(ナイスショップ)」を東京都内に出店する。リラックスできる空間にしたいという思いから住所非公開の完全アポイントメント制の店舗として運営し、来店予約は公式サイトで受付。実験的店舗なため、まずはプレオープンとして2月9日に開業する。
ティーは、2013年にブランドを始動。「ジャンルレス、ジェンダーレス、ボーダーレス」をコンセプトに、ユニセックスウェアを展開している。ブランド名には、最初の「T」が玉田のイニシャルで、残り2つを上下に重ねると「+」マークになることから「自分と様々なものを合わせてひとつにする」という思いが込められており、「MSW」は「MODERN STREET WEAR」を表している。
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玉田は、納期やシーズンに左右されるファッション業界のシステムに疑問を持ち、自分自身のペースで好きなものを好きな時にリリースしたいという考えから、2024年春夏シーズンをもって日本国内25店舗での卸売を全て廃止。販売先がなくなることで、商品を売る場所を新たに作る必要があったことから直営店の出店を決めたという。
「N!ce shop(ナイスショップ)」の売場面積は、約70平方メートル。住所は非公開で、事前予約により1時間に2組(1組4人まで)、最大8人まで入店することができる。ただ服を購入するだけの場ではなく、お菓子や飲み物でもてなすなどして、落ち着ける空間を創出していくという。
店名の「N!ce shop(ナイスショップ)」は、「みんな知っているけど直球すぎて逆に店の名前として無いのが良いということと、アポイントメント制だけど気軽に来店できるお店にしたい」という思いから、「いい意味の軽さ」を含んだ「ナイス」という言葉を採用。店舗は「間違った日本」をテーマに、ヴィンテージの椅子やアートディレクター正田啓介が手掛けるインテリアブランド「スタジオ・ザ・ブルーボーイ(STUDIO THE BLUE BOY)」のラグ、イサム・ノグチの照明、若手アーティストのYuki Nakajoに特注オーダーした全面ステンレスの机、畳を使用した作品など、「海外の人から見た少しズレている日本」を什器や家具で表現している。
オープン時には、ティーの2024年春夏アイテムと店舗オープンに際して新たに立ち上げた「ナイス(Nice)」のアイテム計20型のほか、玉田がパリなどでセレクトした本を店頭に並べる。ナイスのアイテムは、フーディー(2万4200円)やニット(3万6300円/いずれも税込)のアパレルアイテムとライターやピンズなどの小物をラインナップ。今後は、玉田と関わりのあるブランドのアイテムや、同氏の気になるものを展開する計画で、ナイスの公式オンラインストアもオープンする予定だ。
ショップオープンを機に、ティーは「自分自身をちゃんと表現していく」ということに重点を置き、今までの”自分の作りたい”ものづくりから、”自分が着たい”と思うものづくりにシフト。ゆくゆくは、ナイスショップの海外進出も視野に入れているといい、玉田は、「自分はもうファッション業界のレールとは1つ違うラインにいる気がしている。とにかくやったことがないことなので、まずは1年間回してみるということしか考えていない(笑)」と語った。
Image by: FASHIONSNAP
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