「Web3」と呼ばれるブロックチェーンの技術を活用した次世代の分散型インターネットと「コスメ」を組み合わせたブランドがある。その名も「KIKI World(キキ ワールド)」。
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KIKI WorldはWeb3の「分散性」「コミュニティとの共創」といった特徴を踏まえ、新商品のカラーをユーザーの投票によって決定したり、投票や製品の使用といったブランドへの貢献でポイントが付与され、商品の割り引きや限定コンテンツなどと交換したりすることが可能となっている。
2023年、KIKI Worldは新たに「NFC付きのネイル」といった、これまでに類を見ない斬新なコスメアイテムを披露した。NFCは近距離無線通信を意味していて、おサイフ機能付きのスマートフォンやSuica、PASMOなどの交通系ICにも利用されている技術だ。
今回は、KIKI Worldの創設者であるJana Bobosikovaさんに、KIKI Worldを立ち上げた背景やNFC付きのネイルの詳細、今後の展望について話を伺った。
PROFILE|プロフィール
Jana Bobosikova(ジャナ・ボボシコバ)
KIKI World 創設者 CEOチェコのプラハ出身。セフォラやASワトソンといった世界的企業と提携し、VCの支援を受けたり、起業したりしながら、美容と消費者向け健康ビジネスを構築している。
KIKI Worldと従来のブランドとの大きな違い
KIKI Worldは、ブロックチェーンなどの最新技術を活用し、コミュニティとともに商品や体験を提供するブランドだ。一方で、具体的にどのような点が他のコスメブランドと違うのか。
まず、大きな違いとして、冒頭で述べた「投票機能」がある。ブランドのコミュニティに対して「どんな商品が欲しいか」を投げかけ、そのニーズに耳を傾けることに重きを置いていて、投票によって一緒に商品を作り上げていく点がKIKI Worldの特徴だ。会員は、ブランドが作成予定の商品に毎日投票することができ、投票ごとにポイントが付与され、商品購入に利用することができる。
次に、KIKIの各商品にはNFCタグが付いており、顧客のアカウントとペアリングすることで、製品の使用(購入だけでなく“使用”)ごとにポイントが付与される。
従来のブランドは、ブランドの商品購入によってポイントが付与されているが、KIKI Worldは商品購入はもちろん、ブランドへの貢献(投票や使用)でもポイントが付与される点が大きな違いだ。
「現状では、ユーザーのブランドへの貢献には報酬が与えられず、ブランド側のみ利益が得られる仕組みが一般的になっています。その仕組みをブロックチェーンなどの技術を使って解決したいと考えています」とJanaさんは語った。
顧客が主体となって商品の製作・開発を行い、その活動にはインセンティブを付与し、顧客のブランドに対する行動が還元される仕組みを作ろうとしているというのだ。
世界を変える可能性のあるNFCチップ付きネイル
これまでKIKI Worldでは、コスメ商品のキャップにNFCチップを付け、商品の使用ごとにポイントを付与してきたが、2023年、キャップではなくネイル自体にNFCチップを付けた商品を展開した。
ネイルにスマホをかざすと、自身のプロフィールに接続することができ、ユーザーは新しい形で初対面の人とのつながりを作ることができる。このNFCチップ付きネイルは、どのような背景で誕生したのか。
「KIKI Worldの初期メンバーであるWinnyがChip with KIKI(NFCチップ付きネイル)の立ち上げを提案してくれて、私たちはこれ以上ないほど興奮しました。
私たちのゴールは、すべてのクリエイター、店舗、オーディエンスに報酬を与え、コミュニティの意見を取り入れて製品を共同製作できるようにすることです。
NFCチップを搭載した商品は、私たちの目標を実現するために中核をなすものです。
安全で暗号化されたNFCタグが、大量生産中に壊れないようにするための製造上の課題は無視できるものではありませんが、私たちはそれを克服し、ネイルを通じて世界をつなげることを目指していきます」とJanaさんは語った。
NFCチップ付きネイルに対する反響は大きく、トルコで開催されたイベントで公開された最初の数日間で、Xだけで100万回以上のインプレッションを獲得した。
また、アジア、ヨーロッパ、アメリカのメディアにも取り上げられ、直感的で活用も容易なNFCチップ付きネイルは、世界を席巻する可能性を秘めている。
美容の枠を超えたコミュニティ体験を世界中に広げる
このように、コスメブランドの新たな世界を模索しているKIKI Worldだが、今後どのような未来を見据えているのだろうか。
「KIKI Worldは今後、中核となる美容製品以外のクリエイター、コミュニティ、ブランド体験をパワーアップさせます。
また、スキンケアやその他のカテゴリーにおいて、KIKIの会員による独自のブランドで、より深い共創の実現を目指します。コミュニティと共創した製品を実店舗で販売するというアイディアにも意気込んでおり、それがどのようなものになるのか、初期段階をアメリカで模索しています。
中長期的には、KIKIのコミュニティ・コマース・ツールが製品づくりを後押しし、美容の枠を超えたコミュニティ体験が世界中に広がることを計画しています。
コミュニティの創造性、テクノロジー、そしてインセンティブを活用することで、より革新的で、持続可能で、エキサイティングな世界が実現すると考えています」
KIKI Worldには「ブランドと顧客の関係性は今後どうあるべきか」といった問いに対するTIPSが詰まっている。今後もKIKI Worldを追って、ブランドとしてのコミュニティとの共創のヒントを得てみてはいかがだろうか。
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