皆さんこんにちは〜。
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USです。
1月もあっという間に半ばを過ぎてしまいました。
この季節らしい寒さもありながら温かい日も多いので晩に趣味のサイクリングへ出かけることもできるのは嬉しい限りです。
反面、冬の楽しみである防寒アウターの出番が殆どなく、今年も日の目を見ない物が多くあるのは非常に残念ではあります。
さて、今回も少しマニアックな話ですが、よく質問される生地試験における『淡色・濃色』について書きたいと思います。
生地の染色堅ろう度の合否判定には『淡色・濃色』についての特例基準が適用される場合があります。(特例基準とは素材特性を踏まえてこの程度の性能があればOKという許容範囲です。判定基準によって許容範囲違います)
その特例をなんとか適用させたい、ということで、『この色は淡色ですか?』とか『この色は濃色になりませんか?』みたいな質問を頂くことがあります。
質問されて生地を確認すると、どこをどう見ても淡色ではなかったり、濃色ではなかったりする場合が多いです。
『濃色』については『濃い色』という認識でほぼ間違いではないと思うのですが、話をしていると『淡色』においては『中間色』と取り違えている方が多い様です。
『淡色』とはJISを見ると下記の様に記載されてます。
「淡色とは、JIS L 0805の汚染用グレースケールの各色票と表地 を比較し、3号より少しでも薄い場合とする。」
初めて見る方はなんのことなのかわからないと思います(笑)
簡単に説明すると、「染色堅牢度の汚染を判定するグレースケールという見本があり、その見本の3号(級でいうところの3級)より薄い色が淡色ですよ」ということです。
判定用グレースケールとかこのような物です。
(カケンテストセンターHPより引用)
ついでながら左から5番目が3合(級)です。
注:画面を通してみると環境によって違って見えるので参考程度にしてください
一方の『中間色』とは、コトバンクによると下記の様に説明があります。
「 純色に黒色または白濁色を混ぜたような色。無彩色では灰色。色あいのはっきりしない柔らかな色。」
『この色淡色ですか?』と質問される色は大体、色あいのはっきりしない柔らかな色である場合が多いです。
色の濃淡は色の濃度を示しているのであり、色がの色合いを指してているのではないのです。
濃色・淡色は『色泣き試験』にも関わってくる部分です。
近頃、異素材組み合わせや色の組み合わせによる服デザインは多くあり、『濃淡組み合わせの場合は色泣きに注意が必要である』ということは服を企画している方々を中心に多く認知されています。認知されて『色泣き試験』依頼することは良いことです。しかし、『色泣き試験』は濃色同士で組み合わせをする場合、試験をする必要はありません。
試験依頼者が中間色と淡色を取り違えて濃色同士の組合せの場合でも『色泣き試験』を依頼されるケースを時折見かけます。
試験手数料も無駄になってしまうので試験依頼をする際には組合せする生地を見せ、試験が必要か確認したほうが良いかもしれません。
ということで今年一発目も少々マニアックな話でした。
最後までお読み頂きありがとうございます!
以上USでした。
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