ウォルマート傘下のサムズクラブが退店時のレシートチェックにITを導入
■ウォルマート傘下のメンバーシップ・ホールセール・クラブのサムズクラブは9日、退店時のレシートチェックにITを利用したテストを行なっていることを発表した。
■ウォルマート傘下のメンバーシップ・ホールセール・クラブのサムズクラブは9日、退店時のレシートチェックにITを利用したテストを行なっていることを発表した。
ウォルマート傘下のサムズクラブが退店時のレシートチェックにITを導入
■ウォルマート傘下のメンバーシップ・ホールセール・クラブのサムズクラブは9日、退店時のレシートチェックにITを利用したテストを行なっていることを発表した。
週末や夕方の忙しい時間ではチェックに時間がかかってしまい店を出る際の行列ができていることに対処する。
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サムズクラブでは建物の出口前に従業員を常駐させレシートを確認している。盗難対策やレジ打ちミス防止でレシートとショッピングカートの商品が一致しているかどうかを検証しているのだ。
会員にはサムズクラブを卸として利用しているビジネス会員もいることで、一般会員よりも購入点数が多くなる。商品を山盛りにしたカート数台を使って購入する業者もいるのだ。
週末など会員が多い時間帯など出口に長い行列ができて混雑しこれまでクレームが出ていた。
サムズクラブの強みにはストアアプリのスキャン&ゴー機能がある。2016年からサムズクラブ全店で行っているスキャン&ゴーはお客自身が商品バーコードをスキャンしながら決済まで行うセルフ・スキャニング・システム。
日本ではスマホレジとも呼ばれているスキャン&ゴーで買い物することで買い物袋に入れながら買い物ができ、買い物途中で消費税込みの合計金額の確認も簡単にできる。このため予算内の買い物にも便利なのだ。
何よりも便利なのはレジを素通りできることだろう。レジ行列に並ぶ必要はなく、レジ台に商品を置く手間もない。
人との接触が最小となることで、店内での感染リスクが下がる。パンデミック下でスキャン&ゴーはお客にとっても店内のスタッフにとっても大きなメリットがあったのだ。
アップルのアプリストアで評価を見ると、スキャン&ゴー機能をもつサムズクラブ・アプリが260万ユーザーから評価され5ツ星評価でほぼパーフェクトとなる4.9ポイントとなっている。
大手小売チェーンでは極めて高い評価を受けているのだ。
しかしスキャン&ゴー利用客も通常のレジ客も出口でのチェックは同じなため店を出る時に長い行列になることも珍しくなかったのだ。
特に一部のサムズクラブでは「スキャン&ゴー・ファストレーン(Scan & Go FastLane)」の場所が出口から遠いところにあるため、出口近くのフルサービスレジ客が割り込むような形で行列に加わってしまうのだ。
大成功しているサムズクラブのDXが、誤った導線のデザインによって台無しになり、ファストレーンを作った意味もかえってなくなっている。
サムズクラブが現在、10店舗でテストしているレシート検証テクノロジーは人工知能(AI)とコンピュータービジョンを使った技術。
空港のセキュリティゲートのような通路を買い物客が通ることでチェッカーの代わりにカートの中をチェックする。
利用手順などの詳細は明かされていないが画像を見る限り、ゲートにあるコンピュータービジョンがカートの商品を認識しているようだ。
上から見下ろすような垂直式カメラに加えて、左右横からの水平カメラを使ってカート内の商品を判別する。
コンピュータービジョンが得た3D画像からAIが解析しカートの中身とレシートが一致しているかを検証するのだ。
今回の発表ではゲートをくぐるまえのレシートもしくはアプリのQRコードをどのようにしてスキャンするのかは示されていない。
お客が端末でスキャンするのかこれまでのようにスキャニングはスタッフが手動で行うのかがまだわからない。
なおサムズクラブによるとペインポイントを解消する実証実験では、半数以上の会員から好評価を得ている。
テスト結果をみながら2024年末までにはAIチェッカーを600店近い全店に導入するとしているのだ。
ゲートには「次回のお買い物ではレジを素通りできるスキャン&ゴーを試してください」との文字もあり、サムズクラブではスキャン&ゴーでの利用を増やしたい意向だ。
スキャン&ゴーはサムズクラブが併設するガソリンスタンドで「スキャン&ゴー・フュール(Scan & Go Fuel)」で利用可能となっている。
商品バーコードをスキャンしていくのと全く同じように、アプリを起動しスキャン&ゴーを開いて、給油機のタッチスクリーンにあるQRコードをスキャンするだけだ。
あとは給油機番号の確認ボタンをタップして給油ノズルをとって給油を始める。給油が終わりノズルを元の場所におけば、あとはレシートをとりだすだけとなる。
スキャン&ゴーはホットドッグなどを販売するフードコートの「サムズクラブ・カフェ(Sam's Club Cafe)」でも利用できる。
レジ待ちを対応するためフードコートのモバイルオーダー「スキャン&ゴー・カフェ(Scan & Go Cafe)」を行なっている。
サムズクラブ・アプリからモバイル注文できることでレジ注文待ち時間を節約できるのだ。利用の仕方はGPSによるストアモードでアプリ上にカフェのページが立ち上がるので、そこからメニューを選んでスライド式のチェックアウトを行うだけ。
ピックアップカウンターでスタッフにアプリを見せながら注文したホットドッグやピザ、アイスクリーム等を受け取る。
行列を解消しながらシームレスな買い物をサムズクラブのDXが実現しようとしているのだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。女性モノマネ芸人みかんさんによるYouTube動画「【コストコあるある6選】出口の店員さんレシートチェックが速読すぎてヤバいwww」が面白いです。出口のレシートチェックでスタッフがやたら長いペーパーレシートをもの凄いスピードで読み込んでいるのにツボります。アメリカではそこまで速くはありません。日本では「あるある」の光景ならば、もしかしたらこれも日本人の凝り性が表出しているのかもしれません。逆に言えばスタッフが真面目で優秀すぎるから日本で流通DXが遅れる可能性がありますね。サムズクラブやコストコの忙しい時間帯では、出口に向けて長い行列を作っていることがあります。とにかく来ているお客が多いのです。コストコでは平日でさえ広い駐車場が満杯になるほどの来店客数です。2019年ころから、これらの会員カードを家族や友人などの非会員に貸したりするシェアリングが目立つようになっていたのです。でコストコは会員チェックを厳しくする一方、サムズクラブは非会員にも知ってもらうよう甘くしています。
チェッカーのマニュアルよりもレシート検証AIゲートがコスト安で全店に広がる可能性大です。ただコンピュータービジョンの目を誤魔化すハッカーもでてくるかもですね。
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