ジュンが展開するウィメンズブランド「ロペ(ROPÉ)」が2024年春夏シーズンにリブランディングする。「ジル サンダー(JIL SANDER)」などでデザインを手掛けていた齋藤智を新ディレクターに迎え、これまでよりもシーンに縛られず、幅広い用途で着用できるデイリーウェアを提案していく。
ロペは、1968年にジュンのオリジナルブランドとしてデビュー。ブランド名は、フランスのリゾート地 サントロペに由来している。「クラシックなのに、モダン。マニッシュなのに、フェミニン。」をコンセプトに掲げ、大人の女性をターゲットにエレガントなスタイルを提案してきた。
ADVERTISING
新ディレクターの齋藤は、2000年に「ミラ ショーン(Mila Schön)」でキャリアをスタート。その後、「アルマ(Arma)」やジル サンダーなどでデザインを手掛けてきた。23年間ヨーロッパで暮らしており、これまでジュンとの接点はなかったが、家族の都合で帰国するタイミングでディレクターとしてオファーを受けて入社した。コロナ禍を経て人々の生活様式に変化が起きたことで、オフィスシーン以外の様々なシーンで着用できる服作りが必要と考えたロペが、海外の第一線でモノづくりに携わってきた齋藤にリブランディングを託した。
2024年春夏シーズンのテーマは「Time to Sail out」(出航)。雨風にさらされた大理石を生地で表現したセットアップや船の錘(おもり)のモチーフを取り入れたバッグなど、ブランドのルーツであるフランスをデザインに落とし込んだコレクションを展開する。「ブランドとして大きく踏み出す」という意味を込めて、大きな歩幅で歩けるフレアスカートをラインナップするなど、リラックス感があり幅広い用途で着用できるアイテムを大幅に増やしているのも特徴だ。
Image by: FASHIONSNAP
そのほか、生地をアップグレードし、より高級志向で上質なものづくりを追求。これまでよりもプライスレンジが広がり、リブランディング前と比べ価格が3割程度値上がりする。バッグなど価格据え置きのアイテムもあるが、大幅に値上がりするアイテムもあり、平均で3割程度の値上げになるという。齋藤は「最近はより品質の良い商品を求めるお客様が多いので、満足感を感じていただけると思う」と語る。
また、バッグやシューズなどに用いる金具を今後はゴールドに統一する。フランスでは建築物など、日常の至るところにゴールドが使われているといい、「フランスにルーツを持つブランドなので、ディテールにもこだわっていきたい」(齋藤)。
そのほか、リブランディングではロペの「R」を用いたモノグラムを、新ロゴとして採用。これまでのブランドロゴと併用しながら、バッグなどの一部商品には新ロゴをデザインとして取り入れていくという。
2024年春夏シーズンではブランド全体で150型前後を用意しているが、今後は徐々に型数を絞り、数年以内に20〜25%程度を削減する方針。齋藤は「型数を最低限まで減らすことで、自分たちが本当に表現したいことを再確認し、方向性を明確にしたい」と話す。
今後の目標としては、ブランドの世界観を表現するための路面店を持つことを掲げる。齋藤は具体的な時期については名言を避けたが、「アトレ恵比寿店や東京大丸店といった比較的規模が大きい店舗の内装を変えるなど、実験をしながら出店の糸口を探りたい」と話した。
ADVERTISING
RELATED ARTICLE
関連記事
READ ALSO
あわせて読みたい
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境