ロレアル(L'OREAL)がデンマーク・コペンハーゲンを拠点とするプロバイオティクスおよびマイクロバイオーム研究の大手ラクトビオ社(Lactobio)の買収が完了したと発表した。これにより、ロレアルが20年にわたって先導してきたマイクロバイオーム研究をさらに強化。新たな化粧品および科学的なソリューションの開発を狙う。
ラクトビオ社はソーレン・ケアルフ博士(Søren Kjærulff, Ph.D)とシャーロット・ヴェデル博士(Charlotte Vedel, Ph.D)によって2017年に設立。同社では、マイクロバイオーム研究において、最も効果的で安全な菌株を選択するためのマイクロバイオームを発見するための独自のプラットフォームとスクリーニング方法を開発した。乳酸菌の大規模なバイオバンクから作られたこれらの高精度プロバイオティクスをさまざまな開発に応用することで、肌や髪などへの効果が期待できるという。
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マイクロバイオームは肌を健やかに保つための常在菌に重要な役割を果たし、化粧品市場では「美肌菌」へのアプローチとして注目されている。ロレアルグループでは長年マイクロバイオーム研究を進め、「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE-POSAY)」や「ランコム(LANCÔME)」など展開ブランドの化粧品に応用してきた。同社の先進研究部門グローバル責任者 アン・コロンナ(Anne Colonna)氏は、「ロレアルの強力な科学的知識と技術的進歩と、生体を使用したラクトビオの最高クラスの製剤との組み合わせによって、美容に特化した当社のマイクロバイオーム研究は大幅に強化・加速するだろう」と戦略的買収に期待を寄せた。
ケアルフ博士は「デンマークには、食品、農業、健康に適用される生きた微生物に基づくイノベーションの長い歴史があり、私たちがラクトビオを開発するきっかけとなったのはこのような背景だった。私たちのチームが達成したことを非常に誇りに思っており、ロレアル グループの一員として、マイクロバイオームの研究を世界中の人々のための美容イノベーションの新しい分野に応用できる未来に興奮している」と語っている。
今後、ラクトビオ社のマイクロバイオームの専門知識と重要な知的財産ポートフォリオを活用し、生きた細菌を使用した安全で効果的な新しい化粧品ソリューションの開発を目指す。
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