皆さんは「世代の違い」を感じたことがあるだろうか?
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おそらく多くの方があると答えるだろう。著者は日常的にある。言葉選びひとつとっても世代の間に大きな差が出るだろう。
かく言う著者は2001年生まれで、自分自身も周りの友人にもZ世代が多い。ゆえに、使う言葉もいわゆる「若者言葉」である。
ひとつの例として若者の間で使われている英語のスラングを挙げる。”no cap” というフレーズ。”cap”は「嘘」という意味で使われており、”no cap”は前に no がついているので「嘘じゃない」「間違いない」という元来であれば”no lie,” “for real” などと表現されていた言葉と同義で使われている。
さらに最近ではそれが進化して “No cap. Fax. No printer” という言い方もある。詳細は今回は割愛するが、Faxは”Facts”の発音を文字に起こしたもので、”No printer”は “Facts (真実)” をさらに強調するために付け加えられる。
正直ここまで原型をなくすとZ世代の著者でさえも混乱しつつあるが、TikTokを使っている友人が周りにいると必然的にこういったスラングや若者言葉にも順応してしまう。
言葉遣い以外にも、Z世代の働き方や性格などはよく話題に上げられ、TikTokをはじめとしたソーシャルメディアで話題になっている。
そこで、今回の記事では、日米のZ世代の価値観や特徴の差について、著者の私観も交えて話していく。
Z世代とは
まず、Z世代に関して。諸説あるが、この記事では1996年から2010年の間に生まれた世代のことをZ世代としたい。
最近では、新しい “Zillenial” というマイクロジェネレーションの呼び名が生まれた。
ボストン大学社会学教授のDeborah Carr氏は、Zillenial世代を、1992年から2002年の間に生まれた世代と定義している。要は、Z世代とミレニアル世代の間に当たる。ちなみに、Zillenial世代の著者はこの情報をTikTokから得た。
世代だけでわかった気になるのは危険
Z世代の定義を明確にしたところで、これから本題である日米のZ世代について深掘りしていくが、その前にお伝えしておきたいのが、世代観を鵜呑みにしてはいけないということ。
言うまでもないが、世代云々以前に人はみなユニークで、価値観は人それぞれ。記事で学んだZ世代の特徴を鵜呑みにして「Z世代だからこうだ」と決めつけてしまうのは非常に危うい。
著者も、世代それぞれの特徴・傾向は一定存在すると考える。しかし、メディアで取り上げられているZ世代の世代観は、あくまでも傾向にすぎず、実際にターゲットしたいZ世代が必ずしもその傾向に当てはまるとは限らない。
世代の大きな傾向を押さえるだけで安心するのではなく、より詳細かつリアルなZ世代の声を聞くリサーチが依然必要である。それを踏まえた上で、以下を読んでいただきたい。
世代観と時代背景
「価値観は人それぞれであるが、共通する世代観や特徴はある」と先ほど述べたが、それはなぜか?それは、生まれ育った社会環境が強く関連づいているからだと考えられる。
Z世代の世代観に影響を与える社会環境の要素としては、スマートフォンの誕生をはじめとするデジタル化の促進、2008年のリーマンショック、東日本大震災、昨今の戦争などが挙げられる。
Z世代は、ちょうど彼らの親世代の経済不況を目の当たりにしながら育った。そして自分たちも、高校や大学を卒業し、生活の基盤を築こうとしたタイミングで今度はコロナ禍、また経済不況を経験している。
そのため、彼らの考え方、特に消費に対する考え方にこうした時代背景は強く影響を与えていると考えられる。
日米のZ世代の世代観に違いはあるのか
ここからは日米のZ世代の特徴を比べてみよう。
まず、日本のZ世代の特徴としてよく挙げられるものをリストアップしてみた。(参考:カオナビ, 資料JP)
- 現実的で保守的(不確実な将来への不安から出費への抵抗・消費離れ)
- 安定志向(キャリアにおいて、リスクより安定を重視)
- ダイバーシティーへの高い意識
- 自分らしさ・個性を重要視
今度は、アメリカのZ世代の特徴を挙げてみる。(参考: The Annie E. Casey Foundation, Insider Intelligence)
- Pragmatic,financially-minded 実用主義(保守的な支出、そして賢明な投資に伴う安定性を重要視する)
- Raising mental health awareness メンタルヘルスへの高い意識
- Value diversity and inclusivity 多様性と包括性を大切にする
- Accepting and open-minded オープンマインドで新しい思考や物事を受け入れやすい
このように、一見似たようなものが特徴として示されている。
大きな違いのひとつは、メンタルヘルスへの意識だろう。日本と比べアメリカのZ世代の方が、メンタルヘルスへの意識が高いようだ。
実際、Ogilvyのリサーチによると、70%のZ世代がメンタルヘルスを重要視している/されるべきだと考えている。そして、現に他世代よりも自らのメンタルヘルスへの心配、不安をあらわにしている。
この意識は最近のアプリやサービスにも現れており、BetterHelpやTalkspaceなどといったオンラインセラピーサービスや、Headspace、Calmのような瞑想・セルフケアアプリの需要も高くなっている。
ちなみにZ世代と気分の落ち込みの関係性は、深刻に問題視されつつもTikTokではよくミームにされていたりもする。これもある意味、このトピックに関して関心が高いことの表れなのかもしれない。
Cultural Homogenization – 文化的均一化
多様性への意識と理解が高まる一方で、全体的に見てみると世界はある意味 “似てきている” のかもしれないと感じる。これは、先述した日米のZ世代の価値観に一定の共通点が見られることからも垣間見える。
グローバル化の一部である文化的多様性の減少をCultural Homogenization(文化的均一化)と呼ぶらしい。しかし、世界中がインターネットで繋がり、世界中の人々が同じサービス・プロダクトを使用している今では、これは必然的とさえ言えるのかもしれない。
今後デジタルネイティブのZ世代がサービスなどをユーザー側から開発側になった時に、世界中でどんなものが開発されていくのか気になるところだ。
終わりに
ざっくばらんにZ世代に関して述べてきたが、まとめると:
- 時代背景が価値観形成に大きく影響している
- 日米のZ世代の価値観は共通点も多い
- アメリカのZ世代はメンタルヘルスへの意識が高い
- デジタルで世界中の人が繋がっている現在、価値観含め各国の文化は世界中で似てきているのかもしれない
ということが言えると思う。
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