商品がどのように購買されているかを把握することは、小売業界の経営戦略を考えるうえで非常に重要だ。しかし、施策の確度を上げるには、POSデータだけでは不十分。より踏み込んだ施策を打てるよう、株式会社JAN8ではデータドリブンでリアル店舗の運営をアップデートするアプリを開発・提供中だ。
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同社の親会社である「有限会社アングルオブクリエイション」では、21年にわたりコンサルタントとしてリテール事業の再生を行ってきた。その実績を生かしながら、ブランド・店舗運営に必要な機能の開発・提供をJAN8が担っている。
今回は、同社でCEOを務める六角 洋 (ろっかく ひろし)さんに、「JAN8 CS」の特徴や利用方法、今後の展望について話を伺った。
商品に対する感想までデータ化できるSaaS型アプリ
同社が開発した「JAN8 CS」は、商品販売のプロセスデータ(入店から購入に至るまでの顧客情報)を手軽に、かつ正確に定量データ化できるSaaS型のアプリだ。すでに商品についているバーコードをデバイスで読み込むことで、各種機能を使ってデータを蓄積することができる。
「JAN8 CS」の大きな特徴は、店舗・商品ごとにプロセスデータを取得できること。従来のPOSデータ(売れた商品のデータ)では、試着の有無や商品に対するお客様の反応までは分析することができない。
しかし、「JAN8 CS」を使えば、サイズ感や価格など、商品に対する感想までデータ化して確認ができる。入力はカスタマイズ項目のため、各ブランドに合わせた設定が可能だ。
商品のバーコードを読み込んだ後、売れた理由、あるいは売れなかった理由をアンケート形式でインプットする。たとえば、売れなかった理由が着丈であれば、「着丈が長くて売れなかった」というデータを取得することができる。何に問題があったのかをダイレクトに収集し、分析、購買促進へと生かせるのだ。
アパレル本社としては、日報や月報のような定性データの分析から脱却し、定量データを分析することで明確な根拠を持って企画や施策が行えることがメリット。
一方で、店舗スタッフのメリットは、全国の店舗で入力された記録を瞬時にアプリ内で確認できること。そのため、商品の特徴を把握したり、お客様の傾向を確認したりと、素早く接客のヒントを得られる。
また、スタッフ自身の接客数や決定率、なぜ購入に至らなかったのかなどの販売スキルに直結する情報もアプリで確認できる。自身の接客をデータとして見返すことができるため、自己成長につなげられることもメリットのひとつだ。
リアル店舗の重要性を高めていきたい
「『JAN8 CS』の開発に至ったのは、プロセスデータを手に入れられるようにすることで、施策の確度も上げられると考えたから」と六角さんは話す。その背景には、コンサルタントとしてリテール事業を成功に導いてきた経験がある。
「JAN8 CS」は多業種が導入していることもあり、クライアントが抱えている課題は多種多様。開発過程で苦労したのは、「それぞれに合わせたサービスを提供するためのアップデート」だという。
少しずつ解消を重ね、着実にアップデートしてきた「JAN8 CS」。実際に利用したクライアントからは、「売れない理由が明確になるので対策が打ちやすくなった」「販売スタッフの意識改革につながっている」など、うれしい声が挙がっている。六角さんは、「今後もより多くの企業に『JAN8 CS』を活用してもらうことで、リアル店舗の重要性を高める一助になりたい」と話す。
現在は、販売スタッフ専用の業務アプリとして提供しているが、2024年を目処にクライアントのブランドアプリや公式LINEの裏側に入り、買い物をするお客様が直接利用できるサービスを目指しているそうだ。
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