ワコールの公式サイトより
UPDATE
【2024年2月26日続報】希望退職者募集の結果、215人が応募した。希望退職者募集の実施に伴う費用として約22億円を計上する。
ワコールホールディングスが、連結子会社のワコールにおいて構造改革を実施すると発表した。「企業としての持続的な成長に向けた収益力の改善を図るため」とし、「不採算ブランドの撤退・統合」「低収益店舗の撤退」「在庫の処分」「希望退職の募集」に取り組む。
ワコールホールディングスは、構造改革として2023年3月末に事実上の早期希望退職制度にあたる「フレックス定年制度」の特別運用を実施。人員の早期適正化を図ったが、円安やエネルギー価格の上昇など経営環境の厳しい状況が続いているとし、「『世界のワコールグループ』として進化・成長する」ことを目指し、2030年に向けたグループの将来ヴィジョンを示す「VISION 2030」の目標達成を確実なものとするため、子会社のワコールにおいてさらなる構造改革を決断した。
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「不採算ブランドの撤退・統合」では、2024年に自社を象徴する主力ブランド「ワコール(Wacoal)」を一新。同ブランドは2024年3月期第2四半期(2023年7〜9月)の実績において、売上収益が前年同期比6%減となり、物価上昇などを背景に実店舗チャネルが回復に遅れをとっている状況だという。また、マーケティング活動や新製品開発のプロセスを効率化することを目的に、ワコールを含む9つの基幹ブランドを構成する68の商品ラインのうち38%に当たる26の商品ラインを統廃合する。
「低収益店舗の撤退」では、店舗撤退の基準を改めて見直し、低収益の直営店22店舗および百貨店10店舗を今後順次閉店・撤退を検討。直営店は全154店舗の14%、百貨店は全211店舗の5%にあたる。当該店舗以外も今期中に基準を満たさない場合は、撤退を含む対策の対象となる可能性も示唆している。基準を満たす店舗についても、店頭の商品構成や人員配置を最適化するなどの収益性改善に向けた取り組みを継続することに加え、収益性を踏まえた撤退判断を行っていく。
「在庫の処分」は不採算ブランドの撤退および統合、低収益店舗の撤退などの理由で継続販売が不可能となった在庫品を対象とし、資産効率の向上および収益性の改善を図るために適切な方法で処分するという。
「希望退職の募集」は2024年2月12日から22日まで募集をかける予定で、募集人数は150人程度。退職予定日は2024年4月30日としている。ワコールホールディングスは、退職希望者には再就職支援会社を通じた再就職支援を行う方針。
ワコールホールディングスは一連の構造改革費用として、2024年3月期通期決算において約60億円を見込んでいる。また、同社はインナーウェアブランド「ライブリー(LIVELY)」事業から撤退することを併せて発表。事業撤退により、2024年3月期第2四半期累計期間の実績として74億3000万円の損失を計上した。
これらの取り組みに伴い、ワコールホールディングスは2024年3月期の通期業績予想の下方修正を実施。修正後の売上収益は1960億円(当初計画から90億円減)、事業利益は17億円(同43億円減)、営業損益は120億円の赤字(当初計画は60億円の黒字)、当期純損益は108億円の赤字(同48億円の黒字)に変更し、赤字に転落する見通し。
ワコールホールディングスは経営責任として役員報酬の減額を決議。2023年12月から2024年3月までの期間、ワコールホールディングスの取締役(社外取締役を除く)と子会社ワコールの取締役は基本報酬額の20%を減額する。
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