「クラークス オリジナルズ(CLARKS ORIGINALS)」が、韓国での展開を本格的に開始する。その足がかりとして、10月6日から29日まで韓国・ソウルのセレクトショップ「WORKSOUT HONGDAE RYSE」で韓国初のポップアップを開催。今後は、アイテムを実際に手に取ることができる機会を増やしながら韓国での知名度向上を目指す。
クラークスは、1825年に英国南西部の町でクラーク家の兄弟であるサイラスとジェームズが製作したスリッパからブランドがスタート。靴メーカーとして成長し、アッパーとソールを縫い合わせるミシンやソールカットマシン、防水革靴など、現代の靴産業に貢献する数々の技術を開発してきた。日本ではワラビーをはじめとしたモカシンシューズが40代以降の男性を中心に支持を得ていたが、2019年から「ファッションとしてクラークスの靴を楽しむ文化を作りたい」という考えのもと20〜30代の女性へのアプローチを強化。スタイリストやインフルエンサーへのギフティングなどを開始し、SNSやメディアに着用スタイルの露出を増やしたことで、ターゲット層のオンラインストア訪問者数を増加させ、2022年からは直営店の出店をスタートした。「ファッションやカルチャーの基盤があり20〜30代の女性が多く訪れる場所」という条件で出店エリアを絞り込み、現在は東京、大阪、京都に計4店舗の直営店を構えている。タッチポイントを増やしたことでオンラインサイトも好調に推移し、クラークスジャパンは2022年度で過去最高の売上を達成した。
ADVERTISING
韓国進出は約40年前。これまでほぼオンラインストアのみでアイテムを展開してきたが、現在の中心購買層はミドル世代であり、20〜30代の新規顧客層へのアプローチが足りていないといった課題を抱えている。現状を打破すべく、数年前まで同じ課題を抱えながらリブランディングにより飛躍的に数字を伸ばした日本の成功例に則り、韓国での新たなブランドイメージを構築するためにポップアップの開催に至った。
クラークス オリジナルズ 韓国での初のポップアップストア内部の様子
Image by: FASHIONSNAP
今回のポップアップのテーマは「Beyond Boundless」。伝統と新しさを組み合わせることで年代の境界をなくし、幅広い客層にクラークスのアイテムを手に取ってもらうことを目的に掲げている。その一環として、ポップアップではブランドとして初めてクラークスのロゴを英語以外に変換。韓国語のロゴを非売品のTシャツやモニュメントなどに落とし込み、ローカライズしたディスプレイとして展示している。そのほか、ポップアップならではの施策としてシューズ購入者を対象にフォグへの刻印サービスやシューレースの配付を実施するなど、新たな取り組みを行っている。クラークスジャパンの中根信吾マーケティングディレクターは「韓国ではクラークスを知る人はまだ少ない。ブランドの歴史の紹介といった『伝統』とハングルロゴや刻印サービスなどの『新しさ』を組み合わせることによって意図的に違和感を作り出し、初めてブランドを見た人にインパクトを植え付けることを意識した」と語る。
Image by: FASHIONSNAP
これまでクラークスは1年ほどの時間をかけて、インフルエンサーにアイテムをポストしてもらうなどしながらオンラインでのブランドの知名度向上に取り組んできた。今後は、韓国で若者が集まるエリアを中心にポップアップを展開し、実際に顧客がアイテムを手に取ることができる機会を創出するフェーズに移行する。ブランド創業200周年の節目となる2025年までには、ブランドの世界観を表現する韓国初の常設店をオープンさせる計画だという。
現状では「ブランドの知名度はまだ日本の足元にも及ばない」という韓国市場のクラークスだが、ゆくゆくは日本と同程度までブランド規模を拡大させたい考え。具体的な目標金額は非公開としながらも、2025年までに韓国市場の売上高を2023年度の1.5倍に拡大させることを目指すという。中根マーケティングディレクターは「韓国市場は東南アジアのマーケットへの影響力が非常に強い。韓国でブランドを成長させることで、東南アジアでの売上も連鎖的に伸ばし、最終的にはアジア全体で存在感を強めていけたら」と展望を語った。
■CLARKS ORIGINALS WORKSOUT POPUP STORE
期間:2023年10月6日(金)〜10月29日(日)
会場:WORKSOUT HONGDAE RYSE(韓国 ソウル特別市 ⿇浦区 良化路 130番地)
営業時間:12:00〜21:00
ADVERTISING
RELATED ARTICLE
関連記事
READ ALSO
あわせて読みたい
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境