Image by: FASHIONSNAP
大月壮士が手掛ける「ソウシオオツキ(SOSHIOTSUKI)」が、2024年春夏コレクションを発表した。9月13日と14日は、バイヤーとプレス向けに、16日、17日の2日間は渋谷区猿楽町でフレンズ向けに展示会を行う。
大月は「これまでに日本の精神性によって作られるダンディズムを提案してきた。所謂『男らしい』という概念に対して、少し穿った目線で見た新しいダンディズムを提案してきたつもりだったが、振り返ってみるとブランドの男性像が『無骨な男』に集約されているのではと気付いた」と明かし、2024年春夏コレクションについて「それを崩すことで『男らしい』に捉われない人間像を打ち出すことを目標に掲げた」と説明した。
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コレクションでは、定番のキモノブレステッドシャツに、華道家の小春丸が活けた、満開から枯れ果てるまでの様々な向日葵をフロントにプリントしたアイテム(4万5000円)など、向日葵のデザインをあしらったアイテムを数多く展開。「漠然と花=女性らしいという偏見を持っていたが、今回の目標を考えればとにかく花をコレクションに入れたいと思った」とその経緯を説明し、向日葵について「向日葵は大きく、同じ方向を向き、中心もよくみるとグロテスクであるため子どもの頃から恐怖心を抱いていた」と語った。大月の「男らしいに捉われない」という目標は、花のモチーフ以外にデザインとしても表現されており、雨振袖と呼ばれるナポリの伝統的な袖付けの技法を使った製品染のジャケットは、ギャザー分量を多くすることで、男らしいとも女らしいとも取れる絶妙な形にアップデート。スクエアネックのニットシリーズは天幅を調整することによって、婦人服の定番であるスクエアネックに紳士服らしさを加えるなど、紳士服の定番のように見えるアイテムを少しづつずらすことによって微妙な違和感をコレクション全体に与えたという。
その他、前シーズンで好評だったというトラックジャケットを布帛素材にアップデートさせたBDH WOVEN TRACK JACKET(4万8000円)などの定番アイテムのほか、オランダ フォーレンダムの民族衣装から着想を得たパンツ(5万2000円)、「コート(外套)を着用できるのは幕下以上」という相撲界に存在するしきたりを着想源にした、袖のたもとに物を入れることができる着物を模したコート(9万5000円)などの新作を含めたアパレル33型とアクセサリー8型をラインナップする。コレクションルックはスタイリングを吉田圭佑が、撮影を野村佐紀子が手掛けた。
ジャケットについている向日葵は生花をレジンで固定したもので、販売の予定はない。
ソウシオオツキは2日に発表された「TOKYO FASHION AWARD 2024」を受賞した。今回の受賞について「獲れる自信はあった」とコメントし、「現在も海外に取引先があるがより拡大するきっかけになれば」とパリファッションウィーク中に開設するショールーム「showroom.tokyo」に出展する2024年秋冬コレクションに向けて意気込みを語った。
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