Image by: ミューラル
村松祐輔と関口愛弓が手掛ける「ミューラル(MURRAL)」が、2024年春夏コレクションを東京ファッションウィーク「Rakuten Fashion Week TOKYO 2024 S/S」で発表した。国立競技場の外苑側テラスの会場では秋を感じさせる涼しげな風が吹き、黄色や青、赤など色鮮やかなドレスが東京の夜に舞った。
ミューラルは、杉野学園ドレスメーカー学院出身の村松と関口が2013年にコレクションブランドとしてスタート。「平凡な日常に少々のドラマチックを」コンセプトに、日常の中にある題材をモチーフにしたコレクションを展開している。
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2024年春夏コレクションのインスピレーション源となったのは、村松が見た「夢」。青年期に亡くした父が夢に出てきたことをきっかけに、亡き父にもう一度会うためその夢を追想し反映させたコレクションを製作した。ショーの会場に選んだ国立競技場の外苑側2階テラスは、空が抜けている開放的な空間に都会の風景が散らばるコントラストで、夢の世界を演出。また、コレクションの世界観とキールックである赤黒のアイテムを踏襲するように、ショーの前には「夢への憧れ」の花言葉を持つ赤いガーベラが配られた。
Image by: ミューラル
今回のショーで一際存在感を出していたのが、ディップアートで作られたアクセサリー。ワイヤーを手で折り曲げディップ溶液につけ形成するこの手法で、「現実には存在しない花」をテーマに職人がすべて手作りで制作した。ショーのラストには、約1000メートルのワイヤーを使用したディップアートが華々しく飾った。
Image by: ミューラル
また新たなアプローチとして、アイスダイという染色加工とゴム糸を使用した刺繍加工を採用。アイスダイは、氷に染料をかけ、溶かしながら染色する手法で、「滲み」や「霞み」といった独特の色味で「夢」の世界観を表現したという。ワンピースやシャツ、ドレスなどのアイテムに、黄色や赤、青、紫、緑、白といった様々なカラーを染色した。また、新たな刺繍加工を加えたルックとして、ゴム糸を使用したドレスが登場。表糸にはレーヨン刺繍糸、裏糸にゴム糸を入れ縮ませることで立体感を演出した。2022年秋冬で採用した収縮刺繍は、土台布と収縮布を何層も重ねてボリュームをプラスしていたが、今回は布一枚で立体感を演出したため軽量性も兼ね備えた。
Image by: ミューラル
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