西武池袋本店
Image by: FASHIONSNAP
そごう・西武労働組合が、8月31日から西武池袋本店でストライキを実施すると発表した。そごう・西武の親会社セブン&アイ・ホールディングス(以下、セブン&アイ)が9月1日に株式譲渡しないことをストライキ開始解除の条件としていたが、現在までに確認が取れなかったため、事前告知通り決行に移る。大手メディアによると百貨店でのストライキは1962年の阪神百貨店労働組合が最後とされており、約60年ぶりの異例の事態となる。
そごう・西武の売却を巡っては、セブン&アイと米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループ(以下、フォートレス)の間で昨年11月に基本合意を発表。フォートレスはヨドバシカメラの持株会社ヨドバシホールディングスをビジネスパートナーに迎え、百貨店事業の運営についてそごう・西武と協議していく考えを明かしている。譲渡価格は、企業価値2500億円を軸にそごう・西武および同社子会社の純有利子負債や運転資本に係る調整などを行い、実際の譲渡価額を確定するとしていたが、日本経済新聞が8月30日に報じた内容によれば、そごう・西武の今後の事業計画などを踏まえ300億円ほど減額された模様。また、セブン&アイはそごう・西武に対する貸付金約1600億円のうち1000億円程度を放棄する見通しだという。
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今年2月1日付で売却手続きが完了する予定だったが、西武池袋本店の主要フロアに「ヨドバシカメラ」が出店するのではないかという疑念から、百貨店事業の継続および雇用維持を訴え、同労働組合などが反対の意向を表明。セブン&アイは2度にわたりクロージング(株式譲渡の完了)を延期していた。
西武池袋本店に所属する労働組合の従業員数は約900人。8月28日に同労働組合が開いた会見では、ストライキを決行する場合、自主編集売り場などは営業しない方針を明かした。取引先の売り場に関して、そごう・西武労働組合中央執行委員長の寺岡泰博氏は「終日営業するのはオペレーション上の問題は出てくるだろう。営業できるだろうが混乱は避けられない」と見解を示していた。ストライキの期間については言及を避けたが、8月31日は終日実施する予定だ。
■西武池袋本店の直近3年間の年間売上高
2023年2月期 1768億3600万円
2022年2月期 1540億200万円
2021年2月期 1385億8200万円
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