ストライキの対象となっている西武池袋本店
Image by: FASHIONSNAP
そごう・西武が、売却を巡り意見が対立しているそごう・西武労働組合によるストライキの予告通知を受けてコメントを発表した。同労働組合は先月、投票によりストライキ権を確立。組合がストライキを行うためには48時間前までの通知が必要とされており、同労働組合は親会社のセブン&アイ・ホールディングス(以下、セブン&アイ)が報道にある通り9月1日のクロージング(株式譲渡の完了)に向けて今月31日に取締役会で決議することを予測し、31日からストライキを行うと通知した。
そごう・西武の田口広人代表取締役社長は、「労働組合と雇用維持ならびに事業継続に向け、親会社のセブン&アイの陪席を得て説明・協議を重ねてまいりましたが、理解を得られずこのような運びとなりました」と同労働組合によるストライキ通知の経緯を書面で説明。同組合はストライキの開始解除を「9月1日にクロージング(売却完了)しないこと」を条件とし、交渉が決裂した場合は西武池袋本店でストライキの実行に移す。そごう・西武は、「ストが実施された場合、お客様およびお取引先様に多大なご不便とご面倒をおかけいたしますことにつきまして、心よりお詫びを申し上げます」とコメントを発表。今後も同労働組合とは協議を継続していく考えを示した。
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また、スト通知が公表された8月28日にはセブン&アイも声明を発表。ストライキの目的である「百貨店事業の継続」に関しては「そごう・西武および(売却先の)フォートレス・インベストメント・グループは、本件譲渡後に西武池袋本店のリニューアルを計画しており、池袋という首都圏有数のターミナル駅に直結した優良な立地に、他の主要百貨店と比較しても遜色のない営業面積を確保する長期の賃貸借契約を締結する予定です」と説明。「雇用維持」については「西武池袋本店のリニューアルに伴い余剰人員が発生する可能性もありますが、一義的にはそごう・西武が配置転換等により対応し、当社も適切な範囲で人員の受け入れを含め協力する予定です」とコメントした。最後に「そごう・西武は、今後とも、そごう・西武労働組合との間で、雇用維持及び事業継続に関する団体交渉及び協議を継続するとともに、当社は、そごう・西武とそごう・西武労働組合との間の協議について適切な範囲で支援・協力してまいります」と締めくくった。
セブン&アイは昨年11月、フォートレスに対してそごう・西武を売却することで基本合意したと発表。フォートレスはヨドバシカメラの持株会社ヨドバシホールディングスをビジネスパートナーに迎え、百貨店事業の運営についてそごう・西武と協議していく考えを明かしている。今年2月1日付で売却手続きが完了する予定だったが、株式譲渡のスキームや雇用確保などの労使関係を懸念し、同労働組合や豊島区が反対の意向を表明しており対立が続いている。
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