Image by: FASHIONSNAP
村田晴信が手掛ける「ハルノブムラタ(HARUNOBUMURATA)」が、2024年春夏コレクションをランウェイショー形式で発表した。ブランド初の春夏のショーの会場となったのは、東京国立博物館の法隆寺宝物館。夏のバカンスを思わせる軽やかなスタイリングに身を包んだモデルが、エントランスの水盤を囲むようにランウェイを歩いた。
ハルノブムラタは、2019年秋冬のミラノファッションウィークでデビュー。3度目のランウェイショーとなった今季のテーマは「親密な日常のポートレート(An Intimate Portrait of The Life)」。これまでブランドが大切にしてきたコンセプトであるエレガントさを中心に置きながら、日々のありふれた瞬間や時間の流れをイメージして製作された。
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インスピレーション源となったのは、写真家のスリム・アーロンズ(Slim Aarons)が切り取った夏のバカンスの情景。アーロンズが被写体との信頼関係によって収めることができた親密なポートレート写真をもとに、エメラルドブルーの水面や、時間と共に美しく変化する空の色といった要素をカラーや素材に落とし込んだ。また、映画監督のルカ・グァダニーノ(Luca Guadagnino)によるイタリアの夏を舞台にした映画「君の名前で僕を呼んで(Call Me by Your Name)」からも着想。作中で描かれる色鮮やかな真夏の風景や、繊細なピアノ音楽によるエレガントな雰囲気を参考にしたという。
OAOとのコラボスニーカー
会場となったエントランスの水盤には、海の水面に照りつける太陽を思わせる照明が浮かび、軽やかなクラシック音楽とともにショーがスタート。冒頭、2022-23年秋冬コレクションのショーではインラインのアイテムを使用していた「オーエーオー(OAO)」との初のコラボレーションスニーカーが登場。ブラックのレザースニーカーには、アイコニックなゴールドプレートのモチーフをあしらい、ジャージー素材の白のショートドレスと組み合わせたことで、軽やかさを演出した。また、夕日を思わせる色鮮やかなグラデーションを施したワンピースや、爽やかなブルーのコットンブラウス、シアーなチェックのニット、美しいグラデーションに染められたシルクのドレスなども登場。小物には、大ぶりなゴールドのアクセサリーやブランドのアイコンバッグ「ピアーダ(PIADA)」などを組み合わせた。
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デザイナーの村田は、今回のショーについて「春夏コレクションでショーをするのは今回が初めてだったので、屋外での発表ということも含め、前回の重厚な雰囲気から一転『軽さ』をキーワードに掲げた」と話し、着想源となったアーロンズの作品については「彼が切り取った美しい夏の情景を現代的なワードローブに落とし込むことができれば、軽やかなエレガンスを表現できると思い、参考にした。これまではモノトーンのアイテムが多く、鮮やかな色を使ってこなかったが、今季は空の色の移り変わりといった時の流れのようなものを感じてほしいと思い、鮮やかなブルーやグラデーションなどの色使いにこだわった。朝はフレッシュなコットンを身に纏っていても、夜はドレスを着る、といったシーンごとの女性像を考えて、異なる時間軸によってスタイルが移ろう様をイメージした」と製作背景を明かした。
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また、新たなアプローチとして、「ガーメントダイ」と呼ばれる後染めの加工を挙げ、「色の移り変わりが重要になるテーマだったので、チュールやベアトップのシルクドレスににグラデーション染めを施したほか、とにかく軽さを意識したハリのある素材を使用するなど、美しいと感じるものをストレートに表現した」とコメントした。
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