アイスタイルの2023年6月期連結決算(2022年7月〜2023年6月)は、人流や化粧品需要が回復し、インバウンドの復調などから2期連続で過去最高売上を更新し、営業利益は黒字に転換した。売上高が前期比24.7%増の428億9000万円、営業損益が8億1700万円の黒字(前期は4億5300万円の赤字)、経常損益は4億1000万円の黒字(同5億9300万円の赤字)、親会社株主に帰属する当期純損益が2億7500万円の黒字(同5億7100万円の赤字)を計上。旗艦店の「アットコスメトーキョー(@cosme TOKYO)」をはじめとした、「アットコスメストア(@cosme STORE)」、オンラインの「アットコスメ ショッピング(@cosme SHOPPING)」での売上増加がけん引した。
店舗およびオンラインストアを展開するビューティサービス事業は、売上高が同33.4%増の292億2200万円で過去最高。営業利益が同313.8%増と大きく成長し、13億9700万円となった。内訳として、店舗売上は同46%増、オンラインストアは「@cosme BEAUTY DAY」や「@cosme SPECIAL WEEK」といったイベントが好評で、同16%増だった。
ADVERTISING
コスメ・美容の総合サイト「@cosm」を中心にBtoB事業を展開するオンプラットフォーム事業では、販促促進を含むBtoBサービスが伸び、通期で過去最高売上となる同8.4%増の79億3500万円を計上し、営業利益は同52.1%増の13億7300万円と伸長した。@cosmeの月間ユニークユーザー数は今年3月に続き、6月に過去最高を更新し約1900万人、会員数も毎年増加傾向にあり、引き続き好調を維持している。
また、グローバル事業の売上は、オンラインおよび卸売で中国の越境EC事業が現地ブランドの台頭などで減収となったが香港の回復で、同3.5%増の43億9500万円の微増だった。営業利益は不採算事業の整理・撤退により収益構造の改善を図ったが、韓国事業の不調により8600万円の赤字(前期は2億900万円の赤字)も、赤字幅は縮小した。
今期は関西初のフラッグシップショップ「@cosme OSAKA」のオープンを9月に控える。@cosmeにおける「ユーザーのアクションの拡大」や、オンライン・オフラインをつなぐシステム開発への積極投資による「店舗の販売だけではない価値創出」、オンライン上でのコミュニケーションツールの開発・展開、AIの活用などで美容部員の新たな働き方の提案、toC領域での新しい収益の柱の開拓といった5つを軸に推進する。さらに、2024年6月期からセグメント名称および一部サービスの計上セグメントを変更し、オンプラットフォーム事業がマーケティング支援事業に、ビューティサービス事業がリテール事業とする。
2024年6月期連結業績予想は、売上高が同16.6%増の500億円、営業利益が同46.8%増の12億円、経常利益が同143.7%増の10億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同154.3%増の7億円を見込む。
ADVERTISING
RELATED ARTICLE
関連記事
READ ALSO
あわせて読みたい
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境