伊勢丹新宿店
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三越伊勢丹ホールディングスが、2024年3⽉期第1四半期(2023年4〜6月)の連結実績を発表した。今年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、消費が上向きになる中、国内客売上の堅調な推移に加えてインバウンド売上の回復により計画値から上振れしたことを受け、通期業績予想の上方修正も決定した。
今第1四半期の連結業績は、総額売上高が前年同月比14.3%増の2777億円で、営業利益は2倍以上にあたる86億円を計上。百貨店業の増収に加えて経費構造改革が進捗し、営業利益は収益認識基準適用前比較ではコロナ前(2018年4〜6月)の実績を超える水準となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は同20.4%増の68億円だった。前期に1992年3月期以来の過去最高記録を更新した伊勢丹新宿店の売上高は今第1四半期も前年実績を上回り、同16.1%増の841億9300万円で着地した。
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好調の背景にあるのはインバウンド売上の急回復だ。7月度もインバウンド売上の高い伸び率が継続しており、グループ店舗合計で80億円近く売り上げるなど、過去最高の規模感だったという。
今第1四半期の百貨店業の上振れを受け、今期の通期業績予想において総額売上高は期初予想から150億円増の1兆1550億円、営業利益は30億円増の380億円に上方修正。営業利益は統合後最高益を大きく超える見込みだ。
中国人観光客が戻り切っていない状況でさらに上振れとなる可能性がある。決算説明会に出席した三越伊勢丹ホールディングス総務統括部 広報・IR部の三原圭子部長は「月次売上ベースでばらつきがある」とし、現状は今第1四半期の上振れ分を上方修正するに留め、「どういう伸び率でいくのかは不透明。推移を見守りつつ、来てくださったお客様にはきちんと対応していく」と考えを示した。
■三越伊勢丹ホールディングス 2024年3月期第1四半期連結業績 ※()は前年同期比
総額売上高:2777億円(14.3%増)
営業利益:86億円(118.3%増)
経常利益:101億円(123.1%増)
親会社株主に帰属する四半期純利益:68億円(20.4%増)
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