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ビギが展開するウィメンズブランド「デパリエ(DÉPAREILLÉ)」が好調だ。2023年秋冬シーズンで5期目を迎えるが、売上は2023年春夏シーズンまで毎期右肩上がりで伸長。2023年度は3月から5月までの期間で前年同期比189%を記録したほか、購入客数も前年比158%と業績を伸ばしている。
デパリエは、2021年秋冬シーズンにデビュー。同じくビギで「プルミエ アロンディスモン(1er Arrondissement)」を手掛ける大槻聡士がデザイナーを務め、ニュウマン新宿店 M2階に直営店1号店を出店した。プルミエ アロンディスモンがパリ1区に住むパリジェンヌたちのライフスタイルをイメージしたアイテムを揃えたセレクト業態であるのに対し、デパリエではオートクチュールの時代からプレタポルタへの転換期である1960年代のパリ6区のムードを落とし込んだアイテムを展開。45〜60歳の「経済的、精神的に余裕があり、ファッションを楽しむ大人の女性」をターゲットに、クラシックでありながらモダンな雰囲気をあわせ持ったアイテムを提案している。
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2021年のデビュー以降、デパリエはニュウマン新宿店で展開を続けてきたが、2022年秋に伊勢丹新宿店、2023年春に阪急うめだ本店にブランド初のポップアップストアを出店。ほとんどの生地を国内生産にこだわり、商品のクオリティを追求する姿勢が百貨店の顧客に受け入れられ、それぞれのポップアップで設定していた予算の2倍以上の売上を記録した。担当者は「百貨店でのポップアップが成功を収めたことで、興味を持ってくれた人が常設店にも来店するようになり、売上が伸びた」と語る。
商品の価格帯はコートで13〜16万円程度、シャツで3〜5万円程度、パンツで3〜6万円程度。常設店としてニュウマン新宿に出店する店舗の中では最高価格帯に位置するが、顧客の反応から担当者は手応えを感じているという。「ニュウマン新宿ではカジュアルなものが好まれる傾向があると分析しているが、高品質なアイテムの需要も確かにある。『高価でも良い物が欲しい』と考えるお客様の受け皿になることで、安定して売上を伸ばすことができている」と話す。
ブランドラインナップの中で特に人気なのが、ツイード生地を使用したアイテムだ。ブランド立ち上げ当初は数型のみの展開だったが、予約の段階で完売するなどの反響を受けて徐々に型数を増やしてきた。現在では毎シーズン用意している80〜90型程度のうち、10%以上がツイードのアイテムとなっている。「クラシックに寄りすぎないよう意識して製作しているので、バランス感が支持されている一つの要因ではないかと考えている。『ツイードといえばデパリエ』と言われるように引き続き注力していきたい」(担当者)。
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デビューから約2年、直営店はニュウマン新宿店1店舗のみだったが、9月に都内で2号店のオープンを予定するなど、今後は百貨店を中心に出店を加速させていく。担当者は「店舗数を増やしたい気持ちもあったが、コロナ禍ということもあり慎重に判断してきた。今後は東京、大阪のほか、名古屋や福岡などの各都市に出店を検討していきたい」とコメント。将来的なブランドヴィジョンについては「デザイン性や生地のクオリティなどを追求してデパリエにしかない価値を確立させる。インスタレーションやランウェイショーなどの手段でコレクションを発表していくことも視野に入れていきたい」と展望を語った。
■DÉPAREILLÉ:公式サイト
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