リラックスした時間を過ごすためのアンダーウエアブランド「HOLIDAY TRUNKS(ホリデー トランクス)」。Made in JAPANを誇る「パイル生地のトランクス」は驚くほど肌触りがいい。この履き心地を実現するには随所にちりばめられたこだわりがあった。
そんなHOLIDAY TRUNKSを手がける株式会社NAGAREL代表の別所篤さんに、ブランドのはじまりからアイテムの詳細、今後の展開までを聞いた。
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フランス製のヴィンテージ編み機との出会いがきっかけ
「会社立ち上げ当時は、洋服のOEM[1]やアパレルブランドのサンプル制作、ホームページデザイン制作など、業務の柱をいくつか作ってそれを守ることが重要だと考えていました。当初から、オリジナルのブランドを立ち上げる構想はありましたが、ただアパレルブランドを展開するだけでなく、よりプロダクトデザインに重点を置いて考えたものがいいと感じていました。HOLIDAY TRUNKSをはじめた1番大きな理由は、私がトランクス好きだったからです。普段から平日はボクサーパンツ、休みの日はトランクスという感じで、自分の中のモチベーションのオンオフの切り替えスイッチとして使っていたんです。『GAP(ギャップ)』や『RALPH LAUREN(ラルフローレン)』の布帛コットンのものを好んで履いていて、『他に良いのないかな』と探していたのですが、トランクスはバリエーションが限られてきます。そんなときに、フランス製のヴィンテージ編み機を使って両面パイルを編む大阪のニッター[2]さんと出会いました。パイルのトランクスって世の中にないなと思い、『これは新しいものが出せるな』というところからスタートさせたのが2019年のことです」
フランス製のヴィンテージ編み機で編む、オリジナルのパイル生地
「このフランス製のヴィンテージ編み機を作るメーカーは第2次世界大戦後になくなってしまうのですが、そのときに3台を大阪のニッターさんが日本に輸入しました。そのうち1台はもう壊れてしまい、古い機械なので直せないまま廃棄になってしまって、今は世界で2台しか残っていないという状況です。この編み機は両面パイルを作るためのもので、従来のものとは編み地も違い、良質な風合いのパイル生地が作れます。そして出来上がったパイル生地は肌触りが全然違います。HOLIDAY TRUNKSではオリジナルの両面パイル生地ですべてのアイテムを作っているのですが、この生地は限界まで細い糸で編まれています。従来のパイル生地はボリュームを出すために糸を太くするのですが、HOLIDAY TRUNKSはアンダーウエアブランドになるのでボトムを履いた場合でもごわつかない限界の糸の細さにしています。かつ、ふくらみがありソフトな肌触りを損なわないようにこの生地にたどり着くまでテストを繰り返し1年ほどの月日を費やしました」
ブランドを代表するアイテムHOLIDAY TRUNKS
昔から好きだったというトランクス作りがスタートし、ブランド名と同名を冠したトランクスは、納得の素材を用いて仕上がった。その発売当初から、他のアイテムへの展開までの話を聞いていこう。「私自身休みの日はトランクス1枚で過ごしたいという思いがベースにありまして、たとえば、みなさんも家族や恋人に『パンツ1枚でウロウロしないで』なんて言われたこともあるかと思うのですが、HOLIDAY TRUNKS1枚で家の中で過ごしていても、下着1枚でいるといった印象がまったくないものになっています。ブランドを表す際に『休日専用』という言葉を使っているのですが、この思いを1言に集約したメインキーワードになっています。現在は5色展開なのですが、発売当時はブラックとオリーブのみ2色展開でした。両面パイルの裏面、肌に触れる面は毛足を長くしてあり、さらに履き心地の良さを追求しています。柔らかいタオルで包まれているそれ以上の感触の良さなので、この質感はぜひ、直接肌で感じてもらいたいと思います。サイズもS~XLまで展開しており、男性、女性ともにご購入いただいています」
リラックスするシーンで使ってもらいたい
「最初は取扱店も今ほどなかったので、自社のECサイトで販売を始めまして、その1年後ぐらいからトランクス以外の商品も展開するようになりました。私たちの理想としては、本を読むとき、ゲームをするとき、映画を観るとき、などのリラックスするシーンの傍らに、HOLIDAY TRUNKSがあってほしいと思っておりまして、それに合わせたアイテムをリリースしています。2作目のアイテムは『【homebody】Long sleeve TEE(ホームボディ ロング スリーブ ティー)』、次は『【homebody2】Sleeveless TEE(ホームボディ2 スリーブレス ティー)』とアイテムが増えていきました。ノースリーブTシャツはあまり着ないという方が多いかもしれませんが、家の中で着るとすごく楽なんです。バスケットボールのユニフォームのようなシルエットを取り入れ、肩は隠れるようにデザインされており、リラックス着には最適なアイテムです。その後、半袖Tシャツの『【homebody3】Short sleeve TEE(ホームボディ3 ショート スリーブ ティー)』がリリースされ、レディース向けの『Leggings(レギンス)』も登場しています。実はHOLIDAY TRUNKSの購入層は7割が女性の方なので、ニーズに合わせたアイテムも作っています。もちろん男性の方でもご着用いただけます。女性のお客様からはギフトとしての需要もかなり多く、そういったことも含めてパッケージにもこだわって、1からオリジナルのものを作っています」
さらなる人気アイテムサウナハット
HOLIDAY TRUNKSの素材や基本ラインナップについて話を聞いてきたが、ここからはこの春にリリースされた人気アイテムを紹介してもらおう。「先程お話ししたリラックスするシーンの中には“サウナ”という要素もありまして、HOLIDAY TRUNKSでも『SAUNA HAT(サウナハット)』を発売したのですが、大変ご好評いただいています。他のアイテムと同様のパイル生地でシンプルなデザインに仕上げ、ロッカーの鍵が入るポケットが付いた仕様になっています。箕輪厚介さんプロデュースの『サウナランド』というイベントに出させていただいてからサウナイベントへの出展の依頼がくるようになったことが経緯で作ったアイテムなのですが、トランクス同様、単純に私がサウナ好きというのがこのアイテムを作った1番のきっかけです。さらにサウナだけではなく、熊本の天草にある『L'isola THE BIRD(リゾラザバード)』というコテージやサウナがある宿泊施設でも、ルームウェアとしてHOLIDAY TRUNKSが採用されています」
今後のHOLIDAY TRUNKSは海外展開の拡大(現在は香港のみ)と別所さんの地元である三重に旗艦店を作りたいと構想中とのこと。そのショップは単にHOLIDAY TRUNKSオンリーショップではなく、三重県やその近郊の「良いもの」を集めたショップにしたいと考えているそうだ。
HOLIDAY TRUNKSが大切にしているワードとして「トランクスの再解釈」という言葉がある。特別な編み機で作られる良質なパイル生地はトランクスという概念を超えて、ルームウエアへと進化した。「家でパンツ1枚で過ごす」という行為を、リラックスだけでなくスタイリッシュなものに価値観ごと変えてしまったブランドだといえる。
[1]OEM:ブランドと工場の間に入り生産を一手に請け負うこと
[2]ニッター:編み立て業者のこと。メリヤス製造業、ニット製造業とも呼ばれる。カットソーなどのニット生地を製造する業者、セーターなどのニット製品をつくるメーカーのこと。
別所 篤(べっしょ あつし)
株式会社NAGAREL代表取締役社長大学卒業後、アメ村アパレルメーカーでグラフィックデザインとブランドデザインを兼任。様々なブランドに参画し、その後、生地屋での経験を経て2016年NAGARELを起業。2019年4月独自性の高い希少な編み機を用いたパイルのトランクス【HOLIDAY TRUNKS】を立ち上げる。
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