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雨の日が続くようになりました。きっと好きな人なんてほとんどいないであろう、梅雨がやってきます。
悪天候の中、外に出るのはいつも以上に面倒。おうちにこもって過ごすのが1番です。
「晴耕雨読」なんて言葉があるように、雨の日は読書にうってつけ。そんなタイミングをはかったように発売された、オンライン書店「Chapters bookstore(チャプターズ)」のユニークな商品を早速試してみました。
チャプターズが選書した『もぐもぐBOX』が届きました
チャプターズのオープン2周年を記念して発売された「チャプターズ2周年BOX」(税込3520円/送料別)は、『スマイル』や『失恋』『ひとり旅』といった5つのテーマに合わせて選書された、2冊の本と香りのギフトのセットです。
どれもこれも興味深いテーマではあるけれど、特に気になったのが『もぐもぐBOX』。
公式の情報によると、1冊はゆったりとした世界観が特徴的なほのぼの系の⼩説、もう1冊は、仕事もご飯も譲らないキャリアウーマンが主⼈公の、お仕事×グルメの傑作⼩説みたいです。
実際に届いたものを開けて初めて、書籍のタイトルや著者がわかるというのがチャプターズの特徴。裏表紙のあらすじに目を通すと、「なるほど、『もぐもぐBOX』の名にふさわしい物語ね」なんて、わくわくが高まります。
ただ、残念ながらここでは中身を明かせないのがルール。代わりに、エディター・toona的『もぐもぐ本』を6冊紹介させてください!
あなたとなら食べてもいい―食のある7つの風景―
穏やかな食卓を囲む二人に潜む秘密。盗まれたエクレアが導く驚きの結末。最後の砦のような居酒屋に集う人々の孤独。減量に奮闘する女性が巡り会った恋。美食の上で繰り広げられる女同士の舌戦。幼なじみと再会して作る菓子の味。駄菓子を食べ合う瑞々しい初恋とそれを眺める大人達の切ない祈り……。7人の作家がこしらえた、色とりどりの食べものがたりに舌鼓を打つ絶品アンソロジー。(新潮社 HPより)
「食」をテーマに綴られた、アンソロジー形式の短編集『あなたとなら食べてもいい―食のある7つの風景―』。作家陣には、千早茜さん 、遠藤彩見さん 、田中兆子さん 、神田茜さん 、深沢潮さん 、柚木麻子さん 、町田そのこさんといった豪華な顔ぶれが揃っています。
アンソロジー作品のいいところは、“つまみ食い”ができるところ。いろんな人の作品をちょっとずつ読めるから、気になる作品だけを読むこともできるし、あるいは知らなかった好みの作家さんに出合うこともできちゃうかも。
この本の中で特にお気に入りなのが、深沢潮さんの「アドバンテージ フォー」という1作。大学のテニスサークルで同期だった4人の女性が、とあるフレンチレストランで久しぶりの再会を楽しみながら、近況報告や噂話に花を咲かせるというストーリーです。
それぞれ違ったライフスタイルを持つ4人が、お互いにちょっぴりマウントを取り合ったり、探り合ったり…その様子がすっごくリアル。深沢さんの作品はこれまで触れたことがなかったけれど、これを機にたくさん読むことになりそうです。
BUTTER/柚木麻子
男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。若くも美しくもない彼女がなぜ――。週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳にあることを命じる。その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。各紙誌絶賛の社会派長編。(新潮社 HPより)
『あなたとなら食べてもいい―食のある7つの風景―』にも参加している柚木麻子さんの『BUTTER』は、タイトルの通りとってもカロリーの高い、読み応え満点な1冊。
物語自体のテーマが食というわけではないのですが、作中に登場するある料理が、どうにも印象的なんです。その料理というのが、美食家の“カジマナ”が主人公に勧めた「バター醤油ご飯」。
炊き立てのご飯に高級なエシレバターをひとかけ乗せて、醤油を一滴垂らしただけのシンプルな1食。主人公がこれを食べたときの細かな描写に、あまりにも食欲が掻き立てられるので、お腹の空いた夜には読まない方が良さそうです。
きのう何食べた?/よしながふみ
筧史朗(弁護士)と矢吹賢二(美容師)の「食生活」をめぐる物語です。(講談社『モーニング』公式サイトより)
よしながふみさんのマンガ作品『きのう何食べた?』は、テレビドラマ・映画化もした大ヒット作。同居生活を送る中年男性カップルの食生活と、彼らの日々の暮らしを描いた物語です。
この作品のメインは、登場人物の料理シーン。材料とその分量、そして調理手順を頭の中で唱えながら作ってくれるので、私にとってもはやレシピ本です。
これを真似して、何品の料理を作ったことか…。中でも9巻に登場する「超かんたんローストビーフ」は、すっかり私の定番料理になっています。
いつかティファニーで朝食を/マキヒロチ
28歳の東京で暮らす佐藤麻里子は、編集者の創太郎と7年同棲していたが、そのだらしない生活に幻滅。豊かな朝ごはんを楽しむ家庭で育った彼女は、恋人と別れ、自らの朝食を見直し、新たな生活をしようと決意するのだった! グッドモーニングカフェ、築地の和食かとう、ル・パン・コティディアン、七里ヶ浜のbills……など、実際の美味しい朝食のお店を巡りながら「朝食女子」たちの姿を描く新感覚ストーリー、いよいよスタート!(新潮社 HPより)
マキヒロチさんの著書『いつかティファニーで朝食を』は、アラサーの主人公とその友人たちをめぐる群像劇。
それぞれ大小さまざまな悩みを抱えながらも、おいしい朝食と共に新しい1日のスタートを切り、また前向きになっていく、そんな些細な日常が描かれています。こちらも、2015年にテレビドラマ化されました。
物語に登場するのはどこも実在するお店なので、まるでガイドブックのようにも活用できちゃうのがポイント。実際にこのマンガをきっかけに、何軒ものお店に足を運んだことがあります。
生まれた時からアルデンテ/平野紗季子
すべての幸福は食から始まる。世界一のレストランの殺気に満ちた食事に、味に表情がある学食のカレー。平和なフルーツサンド界を脅かす圧倒的存在や、想像力を逞しくさせる嫌いな味。スーパーマーケットの目を引く陳列に、真剣勝負のメニューなど、愛と希望と欲に満ちた、ミレニアル世代の傑作味覚エッセイ。(文藝春秋BOOKSより)
フードエッセイスト 平野紗季子さんが綴る『生まれた時からアルデンテ』は、「食」という文化をさまざまな視点で楽しめる1冊。
具体的なメニューについての愛が語られているページもあれば、レストランのシェフとの対談のようなやりとりや、個人的なぼやき、これまで平野さんが撮り溜めてきた料理の写真など、バラエティに富んだコンテンツが詰まっています。
共通しているのは、食へのあくなき探究心と高い熱量。読んでいるだけで、なんだか自分がとってもグルメな人間になったような気がしてくるんです。
特に必見なのは、一部抜粋して掲載されている「食べ歩きダイアリー」。小学生ならではの正直な感想と、逆に小学生とは思えない大人びた視点に、クスッと笑えてきちゃいますよ。
POPEYE特別編集 味な店 完全版/平野紗季子
食を通して店、人、町を描いてきたフードエッセイスト・平野紗季子さんによる渾身の飲食店案内が完成しました。味な店= “そこにしかない物語の宿る店” 。「実家皿の店」、「メニューがひとつの店」、「塩対応の店」など個性的な切り口で、愛しきレストラン、食堂、カフェなど総数100軒以上の飲食店へ取材を重ね、50テーマ&250ページを超える大ボリュームの一冊にまとめあげました。
雑誌『POPEYE』の別冊付録として制作し話題となった小冊子「2018年の東京味な店」と、その後約3年にわたって同誌にて連載した「続・味な店」を再編集しています。(マガジンワールドより)
平野さんといえば、雑誌『POPEYE』での人気連載をまとめた『味な店 完全版』も併せてチェックしたいところ。
こちらは『生まれた時からアルデンテ』よりもガイドブック的な要素が強く、平野さん視点での“味な店”が100軒以上も紹介されています。
“メニューがひとつのお店”や“塩対応の店”など、足を運べばきっと会話のたねになる飲食店ばかり。雨があがったら、この本を片手に街へ出たくなること間違いなしです。
読んでいるだけでお腹が空いてきそうな、食にまつわる本たち。
本を片手に再現レシピを作ってみたり、次に行くお店探しに励んでみたり…。雨の日が続くこんな時期は、そんな過ごし方も素敵かもしれません。
Chapters Goods Storehttps://goods-store.chapters.jp
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