カナダグースのアイテム
Image by: FASHIONSNAP
SNSなどで目を引く“ロゴドン”アイテムが増えている一方で、アウトドアブランドではロゴが目立たないアイテムを求める動きが強まっている。特に高価格帯のダウンなどの重衣料で、人と被ることを懸念する声が多く挙がっているという。
「カナダグース(CANADA GOOSE)」は、北極圏の地図が描かれた左肩の「赤いワッペン」がトレードマークとして知られているが、メインの購買層となる30~40代の女性や、40~50代の男性から「ロゴが目立たない落ち着いたアイテム」を求める声が多かったことから2023年秋冬シーズンにボディと同色のワッペンを施したアイテムを増やした。カナダグースでは、より都会に馴染むようにデザインされたブラックレーベル(通称:ブラックディスク)と呼ばれる限定ラインを以前から展開しており、同ラインに付けられているモノクロのワッペンや希少性が人気を博していた背景がある。ブランドの認知度が上がったことで、街中で“赤ワッペン被り”が起こってしまうことから、特別性を求める傾向が強くなり、一部アイテムにボディと同トーンのワッペンを施したところ顧客から好評だったという。2023年秋冬シーズンは、ダウンやフリースなどのアイテムで、カーキやホワイト、ネイビー、ブラックといったカラーの同色ワッペンアイテムを展開する。
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「ウールリッチ(WOOLRICH)」は、ブランドを代表する「アークティックパーカ(ARCTIC PARKA)」が誕生から50周年を迎えることを記念したアニバーサリーモデルを製作。同ブランドはアメリカ東海岸でスタートしており、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」や「アークテリクス(ARC'TERYX)」といった高みを目指すクライミングなどをルーツに持つ西海岸やカナダのブランドに比べ、低層の山が多い東海岸の特徴から狩猟やロングトレイルがブランドのベースとなっている。そのため、ウールリッチのアイテムは荷物や装飾品を減らした「長時間快適であること」を基盤とした服作りが多く、クリーンな“落ち着いた”デザインに仕上げられている。そうした背景から40~50代を中心に支持を集めていたが、人と被らないアイテムを求める20~30代の購買数も増えているという。アークティックパーカのアニバーサリーモデルでは、ジップやマジックテープでブランドロゴが見え隠れする仕様を採用した。一部の20~30代からは「ロゴを目立たせたい場面もある」という需要もあるためロゴ入りのアイテムも製作はするが、今後もブランドのベースにある落ち着いたデザインを維持していく方針だ。
ウールリッチのアークティックパーカ50周年記念モデル
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