ジュンが、百貨店大手の高島屋限定の新業態として、新ライフスタイルショップ「モア サロン エ ロぺ(moi salon et ropé)」の展開を開始した。「ロペ(ROPÉ)」と「サロン アダム エ ロぺ(SALON adam et ropé、以下サロン)」の複合業態となり、1号店は今年5月に大阪店、2号店は今月7日に横浜店にオープン。今秋には京都店への出店を計画する。「高島屋限定」のポテンシャルと相乗効果を横浜店の担当者に聞いた。
高島屋横浜店ではコロナ禍以降、ファッション1軸ではなく、ファッションを含めたライフスタイル全体を豊かにしたいというニーズが高まっているといい、また客単価もコロナ禍以降は2割ほど引き上がっていることから上質なアイテムが求められていると分析。マストレンドから多様化が進み、「ここでしか手に入らない」という打ち出し方に商機を見出し、「高島屋限定」業態の開発に着手した。ジュンをパートナーに選んだ理由では、ものづくりへの姿勢と、ファッションとライフスタイルの提案を得意としている点を挙げている。横浜店では婦人服フロアで若年層を取り込めていない課題もあることから、モア サロン エ ロペでライフスタイル商材を強化し、若年層からシニア層まで男女問わず幅広い世代に利用される店舗を目指す。
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モア サロン エ ロぺではコンセプトに「more love, moi woman」を掲げ、ロペが持つエレガンスとサロン アダム エ ロぺのライススタイルの提案力を掛け合わせた特別な空間を演出する。横浜店の面積は約142平方メートルで、3店舗が入居していた区画をつなぎ、大阪店と同様に大型店舗として展開。フロアの占有率は1割だが、婦人服フロアでは異例の規模だという。ロペ系列の業態を常設出店したのは大阪店では2015年2月以来8年ぶり、横浜店では11年ぶり。
各店舗では両社がエリアに応じたMDを構成。大阪店ではロペとサロンの比率を4対6にしたのに対して、横浜店は6対4でロペのコンテンツを増やし、トラッドスタイルの需要を考慮してコンテンポラリーキャリア向けのアパレルを大阪店よりも拡充した。「ここでしか手に入らない」要素として、横浜店限定色としてオープンカラーのワンピースからマリン調のストライプ(3万3000円)を用意。また、モア サロン エ ロぺ業態限定として、ロペのエレガンスラインのワンピースを夏仕様にアレンジして復刻(2色展開、各4万2900円)したほか、ロペのバッグライン「エポール(ÉPOR)」の人気モデル「Ree」のオープン記念限定カラーとしてベージュとピンク(各1万8700円/いずれも税込)を販売している。秋冬シーズンはオリジナル商品を1ラックの規模に増やす。
オープンカラーのワンピース限定色(3万3000円)
Image by: FASHIONSNAP
ジュンのライフスタイルの提案力を活かした取り組みとして、ポップアップを定期的に開催。オープン時は陶芸家の鈴木麻起子によるラ メゾン デ ヴォン(La Maison de Vent) のイベント「Life is Better vol.6」を6月18日まで開催。期間中は別注商品としてシークレットジャーとコンポートミニを用意し、その他オリジナルアイテムも販売している。鈴木は根強いファンを多く抱え、初日は作家の来店イベントを予定していたことから事前の問い合わせも多くあったという。高島屋MD本部婦人服・婦人雑貨・子供・ホビー部の嶋廻由紀子部長によると、こういったポップアップの企画は高島屋だけでは実現が難しかったことから協業の手応えを感じているといい、ポップアップスペースをコミュニティの場として機能させていくことも視野に入れる。
Image by: FASHIONSNAP
ジュン側も、ショッピングセンターに出店し、いわゆる女性向けのキャリア服としての枠に収まっていたロペを上質なブランドとしてアップデートさせていきたいと考えていたといい、百貨店限定で展開できる点が目的と合致。「地域の一番店を目指す」という高島屋のコンセプトにも共感したという。サロン業態はコロナ禍でも好調に推移していたため、ロペとサロンを融合させた新しい提案に挑戦した。同社の原誠常務取締役上級執行役員は、リアル店舗ならではの強みとして「単なる利便性ではなく、お客様と店舗、またはお客様同士も含めた“コミュニティ”が重要になると思うので、力を入れていきたい」と語った。
ひと足早くオープンした大阪店では、ロペの顧客だけではなく新業態そのものに関心を示す客が徐々に増えている一方で、想定よりもシニア層の来店が目立ち、幅広い年代層に適した品揃えの拡充が課題だという。現在は模索の段階だとし、両社は2週に1回MDの会議を開き、都度見直しを行っている。秋冬以降は限定展開の商品の比率を上げていくことから、「高島屋限定業態」の実力は今後に期待がかかる。
高島屋はジュン以外にも高島屋限定業態のパートナーを模索する考えだが、嶋廻部長は「本当の意味で物作りを一からしっかりと組んでいるブランドは限られている。私たちが重要視しているのは、モノへのこだわりと、“ホンモノ”を届けられるポテンシャルのある会社。さらに高島屋のお客様やエリアのニーズと拾っていきたいという点が合致して初めて実現すること」だとし、パートナー選びには慎重な姿勢を示した。
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