「SCANBE」 スキャナー
Image by: FASHIONSNAP
ワコールが、3Dボディースキャナーと接客AIによるサービス「3Dスマートアンドトライ(3Dsmart & try)」をリブランディングする。それに伴い、サービス名を「スキャンビー(SCANBE)」と改め、ロゴを刷新。9月の本格導入に先駆けて、5月19日、東急プラザ表参道原宿の店舗を1号店としてリニューアルオープンした。
ワコールは、2019年に「3Dスマートアンドトライ」をスタート。専用のブラもしくは自身の下着を着用したまま測定エリアに立つことでアンダーやバストトップを含む18部位のサイズが数値化され、3Dボディデータで全身が確認できる。計測後は、測定したデータに基づく体型タイプに沿ったおすすめのブランドが表示される仕組みとなっている。サービス開始以来、年々導入店舗を増やし、現在は全国に26店舗を展開。今年の4月末時点での利用者数はトータルで約17万人にのぼり、その7割が20〜30代だという。
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スキャンビーのテーマは「わたしを知って、わたしになる」。利用者が自身の体型を客観視し、自宅でいつでもデータを確認できるよう、新たに公式アプリ「ワコールカルネ(WACOALCARNET)」とサービスを連動させることで、アプリ上での計測結果の記録や、360度全ての角度から3D映像での体型確認を可能にした。数字のデータだけではなく、体全体を可視化することによって、より利用者の納得度を高める。また、より幅広い世代へのアプローチとして、キッズとマタニティ向けにもサービスを拡張した(※妊娠中または身長130cm以下の場合は、正確な計測ができない場合あり)。
従来は、スキャナーでの計測後、店内に設置されたタブレットに移動してサイズを確認する必要があったが、今回の刷新に伴い、計測から結果の確認、データの取得までを全てスキャナー内で完結できるようアップデート。計測後は、データの確認のみで終了するか、そのまま店員のカウンセリングを求めるかの2択を機械上で選択できる。カウンセリングでは、プロのスタッフが利用者の体型の悩みに寄り添うことで、体型についてオープンに相談しやすい環境づくりをしていく方針だ。
2019年にスタートした同サービスは、今年で5年目を迎える。3年にわたるコロナ渦においても、サービスは好調だったという。その理由について、担当者は「コロナ渦では、店員と密に関わりたくないというニーズが多かったので、ちょうど需要とサービスが合致しました。予期していなかったことですが、結果的に成功に繋げられたと思います」とコメント。2022年12月から今年の3月までの4ヶ月間で、サービスの新規利用者の割合は3割と想定を上回って推移しているといい、「店員による計測に対して『人に体を見られることに抵抗がある』『店員にサイズを知られるのが恥ずかしい』といった声に応えたことで、新たな層にアプローチすることができました」と説明した。
計測を通して自分の3D映像や数値のデータの確認ができることから、下着を購入するためだけではなく、体型変化の指標として利用する顧客も多い。担当者は、「ジムに行く前に測りに来てくださるお客様もいます。下着を買いに行くという目的ではなく、自分の体型を知るためのツールや、体験型のアクティビティとして、遊びに行くような感覚で気軽に利用してほしい」と話した。
近年、ワコールは「お客様との深い関係性づくりのため、より価値のあるサービスを提供したい」という思いのもと、インナー以外の事業にも着手。今年4月には食品を中心に展開するモール型ECサイト「ワコール・スプーン(WACOAL SPOON)」をスタートし、グルメ通販市場に参入したほか、今秋には、新たにフェムケア事業「ヨジョイ(YOJOY)」や、ファッションブランド「アワワコール(OUR WACOAL)」の始動も予定している。
今秋スタートするアパレルブランド「アワー ワコール(OUR WACOAL)」のコンセプト
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