皆さん、こんにちは。
ADVERTISING
USです。
実は今回で13回目の投稿となります。
書き始めた当初はたった1ヶ月に1度の投稿ですが続けられるのか不安でしたが、皆さんから頂ける反応や、FASHIONSNAPさんに転載して頂けたりしたことが励みになり1年間続けて来れました!これからもよろしくお願いいたします!
さて、今回の話は『色落ち』についてです。
どんなに気を配って『問題が発生しにくい』生地を選んで作った洋服でも残念ながら『生地の色が落ちた』という連絡を消費者から貰うことはあると思います。
皆さんは『生地の色落ちが落ちた』と聞くとどういう状態を想像するでしょうか?
『生地の色が他のものに移った状態』を想像する人や『生地の色が変わってしまった状態』を想像する人もいると思います。
この様に『色落ち』は2つの状態を示す言葉です。『色落ち』という言葉だけだとどちらの状態を表しているのかは生地の状態を見ないとわかりません。
生地検査でこれらの色落ちは、生地の染色堅牢度という項目で評価をします。堅牢度の種類は様々ありますが、『生地の色が他のものに移った状態』を『汚染』という項目、『生地の色が変わってしまった状態』を『変退色』という項目で表しています。
【汚染】
『変退色』同様5級が一番良い状態です。
『変退色』は試験用の白い生地に試験経てどのくらい白い生地色が付くのかを見ます。
5級が付くということは、元生地から試験を経ても試験用の白い生地に全く色が付いていないという状態です。等級の数字が減っていくごとに試験用の白い生地に移る色が濃くなっていき、1級で一番悪い状態です。
汚染の1級は試験用白い生地に元の生地と同じくらい濃い色が付いている状態です。
級の判定は汚染用グレースケールを使用して行います。
【変退色】
5級が一番良い状態です。
5級が付くということは、元生地の色が試験を経ても全く変化がないという状態です。等級の数字が減っていくごとに色の変化が大きくなっていき、1級が一番悪い状態です。
判定は変退色用グレースケールで行います。
※耐光堅牢度は変退色を判定しますが、判定では変退色用グレースケールは使用しません。
これらをきちんと理解していないと『色落ち』の問題が発生した時に原因究明を行う際、生地検査の報告書を見てもチンプンカンプンな事になってしまいます。
例えば、「色が落ちて他のものに色が移った」という場合は『汚染』の項目を見ないといけません。しかし、『変退色』の項目だけを見て「全く問題がない。」という方も時々いらっしゃいます。
また、染色堅牢度には『耐光』→光、『洗濯』→洗濯液、『摩擦』→擦れ、『汗』→汗、『ドライ』→ドライ溶剤、などの種類があります。『生地の色が落ちた』状況を消費者に細かく確認し、聞き取り状況に合わせて確認する堅牢度の種類を選ばないといけません。
ですから色落ち問題が発生した際は、申し出のあった消費者から『使用状況』や『いつ頃色が落ちたことに気づいたか』などの聞き取りを行う必要があります。
本部や販売元、生地屋さん、OEM等に連絡する際は、ただ『色落ちした』と伝えるだけでなく、消費者から聞き取った状況と『生地の色が他のものに移った』や『元の状態から色が変化した』と伝えて頂けると問い合わせ先の方も理解しやすくなり、原因究明もしやすくなると思います。
きちんと原因究明できると、申し出をした消費者の対応はもちろん、次の商品企画に活かすことができ品質向上繋げる事ができますね。
以上USでした!
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【南 充浩】の過去記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境