VICE公式サイトより引用
カルチャー誌「VICE」や「i-D」などを発行する米VICE Mediaが、経営不振のために米連邦破産法11条に基づく破産法適用を5月15日(現地時間)に申請した。これに伴い、投資ファンドなどの債権者グループに売却される。負債額を含む買収総額は約2億2500万ドル(約307億7133万円)。
VICE Mediaは、1994年にカナダ・モントリオールでパンク雑誌「VOICE OF MONTREAL」として創刊。1999年にアメリカに拠点を移し、2006年にデジタルに参入した。現在は世界約30ヶ国に支部を構え、カルチャー誌「i-D」や「VICE」、「リファインリー29(Refinery29)」などを発行するほか、ニュースチャンネルの「VICE News」やコンテンツ制作を担う「VICE Studios」、映像プロダクション「Pulse Films」などを運営している。2017年には評価額が57億ドル(約7800億円)に達するなど、注目を集めてきた。
同社は、世界の紛争や人権侵害を取り上げる報道部門「Vice World News」を先月をもって閉鎖。日本を含むアジア太平洋チームのレポーターや編集者は全員解雇されており、買収企業を募っているとニューヨーク・タイムズ(The New York Times)が5月上旬に報じていた。
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VICE Mediaは、債権者が事業譲渡契約および資産の買収に合意したと発表。買収する投資ファンドには、アメリカの投資運用会社 フォートレス・インベストメント・グループ(Fortress Investment Group)、ソロス・ファンド・マネジメント(Soros Fund Management)とモンロー・キャピタル(Monroe Capital)が含まれる。売却には2~3ヶ月を要する見込み。
VICE、VICE News、VICE TV、VICE Studios、Pulse Films、Virtue、Refinery29、i-Dを含むマルチプラットフォームメディアブランドでは売却期間中も通常業務を継続し、今後も制作および配信を行っていくとしている。なお、VICE TVはA&Eとの合弁会社のため破産の対象からは外されている。
■VICE:公式サイト
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