群馬県前橋市に、アートとデザインによる地域活性化を目的とした複合施設「まえばしガレリア」が5月7日にオープンする。「発見のある暮らし、創造が生まれる場所、前橋ラバーズが集う拠点」をコンセプトにした4フロア構成で、地域デベロッパー「まちの開発舎」が開発を手掛けた。1階には「タカ・イシイギャラリー」などの有名ギャラリーのほか、フレンチレストランが入居し、2階から4階はテラス付き分譲レジデンスとなる。
同施設は、JR前橋駅から徒歩12分ほどの立地で、9つの商店街からなる「前橋中心商店街」の中枢である「銀座通り二丁目商店街」に隣接。近辺では、地元の百貨店 スズラン前橋店が営業している。施設が建設された土地はこれまで前橋市が所有し「地域の広場」として開放されてきたが、周辺の繁華街化によって民間に売却されたことをきっかけにプロジェクトが始動し、約5年間におよぶ準備期間を経て完成に至った。
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Image by: FASHIONSNAP
建築デザインは、建築家で京都大学教授を教授を務める平田晃久が担当。一本の樹の下に人々が集まり、それぞれが自由に活動する様子をイメージして設計したという。平田は、「分割された小さなグリッドの集合が緑をまとって浮遊しているような構成にした。1階部分と住宅が互いを引き立て共存するよう心がけた」と話す。
一般開放される1階は、3区画で構成。うち2区画はアートギャラリーとなり、メインとなる「タカ・イシイギャラリー」のほか、「小山登美夫ギャラリー」「rin art association」「Art Office Shiobara」「MAKI Gallery」といった4社による合同ギャラリーが営業する。7月8日までの期間では、施設のオープンを記念して「タカ・イシイギャラリー」がロンドン出身のアーティスト ディノス・チャップマン(Dinos Chapman)などの作品を展示する展覧会を実施する。
タカ・イシイギャラリー
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また、残る1区画には、都心でレストランなどを運営するGRAPESが手掛けるフレンチレストランが入居。店名は未定で、5月末の営業開始を予定している。
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2〜4階は分譲マンションで、ワンルーム・ロフト・メゾネットの3タイプ、全26戸を用意。全ての部屋が異なるデザインで、光の入り方などを綿密に計算して設計した。価格は部屋ごとに異なるが、約3000万〜8000万円ほど。2023年5月時点で空室はあるものの、徐々に売約済みの物件が増えてきているという。
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群馬県の県庁所在地でありながら中心市街地の空洞化といった課題を抱えていた前橋市は2016年8月、まちづくりに関するヴィジョン「前橋ヴィジョン」を策定。以来、白井屋ホテルを筆頭に文化的に評価される店舗・施設が誕生し、街に賑わいが戻り始めているという。地元・前橋の再生に注力しており、同施設の仕掛け人でもあるジンズホールディングス 田中仁代表取締役兼CEOは、「地方都市は、そこに行くだけの価値を打ち出せなければ人を集めることはできない。アートは人を呼ぶために非常に有力なコンテンツ。現在『前橋中心商店街全体を美術館にする』というテーマで街づくりを行っており、その一環として『まえばしガレリア』を作った。詳細は言えないが、今後も付近にアート施設の建設を予定している」と語った。
■まえばしガレリア
所在地:群馬県前橋市千代田町5-9-1
居住エリア
敷地面積:約1241平方メートル
構造:鉄骨造
戸数:26
公式サイト
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