VICE公式サイトより引用
カルチャー誌「VICE」や「i-D」などを発行する米VICE Mediaが、破産を申請する見込みだとニューヨーク・タイムズ(The New York Times)が報じた。
VICE Mediaは、1994年にカナダ・モントリオールでパンク雑誌「VOICE OF MONTREAL」として創刊。1999年にアメリカに拠点を移し、2006年にデジタルに参入した。現在は世界約30ヶ国に支部を構え、カルチャー誌「i-D」や「VICE」、「リファインリー29(Refinery29)」などを発行するほか、ニュースチャンネルの「VICE NEWS」やコンテンツ制作を担う「VICE Studios」、映像プロダクション「Pulse Films」などを運営している。
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同社には、2015年にウォルト・ディズニー社が数億ドルを、2017年にプライベートエクイティファンドのTPGが4億5000万ドルを出資しているが、いずれも買収には至らず、従業員の解雇を繰り返すなど赤字の状態が続いていた。米メディア「ウォール・ストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)」は、赤字の理由をテレビ局「Viceland」の苦戦による収益不振だと報じている。同社の前CEO ナンシー・デュバック(Nancy Dubuc)は、約5年務めた同職を今年2月に退任し、世界の紛争や人権侵害を取り上げる報道部門「Vice World News」は先週をもって閉鎖している。なお、日本を含むアジア太平洋チームのレポーターや編集者は全員解雇された。
ニューヨーク・タイムズによると、現在は破産申請を免れるために買収企業を募っている段階で、通常営業を続けながら45日間にわたって会社売却のオークションを実施。落札された場合、同社の債務者であるアメリカの投資運用会社 フォートレス・インベストメント・グループ(Fortress Investment Group)の傘下となる可能性が最も高いという。
メディア業界では、先月ニューヨーク発のカルチャー誌「ペーパーマガジン(Paper Magazine)」が編集部全員を解雇し、サイトの閉鎖を示唆したほか、米ネットメディアの「バズフィード(BuzzFeed)」が人員削減のため報道部門「バズフィード・ニュース(BuzzFeed News)」を廃止するなど、厳しい経営状況が続いている。
■VICE:公式サイト
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