Image by: FASHIONSNAP
ファッションEC「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するZOZOが、2023年3月期において商品取扱高が5000億円を突破した。連結子会社yutoriの自社ECサイトにおける商品取扱高などを除き、ゾゾタウン事業、Yahoo!ショッピングに出店しているゾゾタウン店およびBtoB事業の合算値として5000億円を上回ったのは初めて。
商品取扱高5000億円は、10年以上前から目指していた目標だったという。ゾゾタウン事業とYahoo!ショッピングに出店しているゾゾタウン店が2桁成長するなど好調で、過去1年以内に1回以上購入したアクティブ会員数も1000万人の大台を突破した。年間購入金額は横ばい、購入点数においては前年同期比5.9%減の10.9点と下がっているが、商品単価は定価商材、セール商材ともに上昇傾向にあるといい、平均商品単価は前年同期比6.3%増の3987円だった。
ADVERTISING
■ZOZO 2023年3月期通期連結業績 ※()は前期比
商品取扱高:5011億800万円(7.0%増) ※「その他商品取扱高」を除く
売上高:1834億2300万円(10.4%増)
営業利益:564億2100万円(13.6%増)
親会社株主に帰属する当期純利益:395億2600万円(14.6%増)
◆次に目指すのは「商品取扱高で8000億円、アクティブ会員数1500万人」
当期の業績を踏まえ、澤田宏太郎代表取締役社長兼CEOは「一区切り」とし、今後の成長戦略方針を決算説明会で発表。商品取扱高で8000億円、アクティブ会員数1500万人を目指すという。
ファッション小売市場は10.8兆円あるとし、そのうち同社のターゲットとなりうる7.5兆円、EC化率28%、6400万人規模の市場の中でシェアの拡大を狙う。澤田社長は1500万人程度の獲得余地があると見ている。
鍵となる施策の一つとして「より幅広い層の取り込み」を掲げ、具体的には10代後半から40代までとしていたターゲット層を50代に引き上げる。Yahoo!ショッピングを利用するユーザー層の利用状況などを鑑みて「ある程度のマーケットが期待できる」と捉えている。
アクティブ会員数は年々右肩上がりで推移している状況で、10代の会員も増えている。新規会員の獲得数が好調なだけではなく、翌年以降も継続して利用する傾向があり、アクティブ会員数に寄与しているという。2023年3月期に関しては新規会員数が過去最高値を記録した。購入経験はあるが休眠状態にあるユーザーや、ゾゾタウンを知っているが利用したことがない、またはゾゾタウンを知らないユーザーの比率は依然として高く、澤田社長は「潜在需要はある。新規ユーザーをしっかりとって成長につなげたい」と話した。これに加えて、購買頻度向上につながる施策を打ち出していくという。
その他の施策では、コスメの専門モール「ゾゾコスメ(ZOZOCOSME)」をはじめとするカテゴリーの拡大を掲げる。ゾゾコスメで2023年3月期中に達成したいとしていた「商品取扱高100億円」は未達で91億円にとどまったものの、澤田社長は「100億円弱という値はコスメECとしては最大級まできている」と評価。売り場としてのオリジナリティを課題に挙げ、新規出店ブランドも誘致するなどで商品取扱高の成長を目指す。コスメ以外のカテゴリーへの進出も検討しているという。
ADVERTISING
RELATED ARTICLE
関連記事
READ ALSO
あわせて読みたい
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境