カネボウ化粧品のスキンケアブランド「DEW(デュウ)」は、ジャーナリングアプリ「muute(ミュート)」を展開するミッドナイトブレックファスト株式会社とともに、肌と心に向き合う新しいジャーナリングサービス「Skin&Mind Log(スキン アンド マインド ログ)」を開始した。
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ジャーナリングとは、欧米で人気のメンタル・セルフケア/マインドフルネスの手法のひとつで、頭に思い浮かんだことをありのままに書くことから「書く瞑想」とも言われている。そんなジャーナリングを取り入れたSkin&Mind Logとは、どのようなサービスなのか。花王株式会社のDEWを担当する伊澤さんと佐藤さんに話を聞いた。
PROFILE|プロフィール
伊澤 孝治
花王株式会社
化粧品事業部門DEWマーケティング担当
2012年株式会社カネボウ化粧品に入社し、ドラッグストアなどの営業を担当。2017年よりブランド事業部へ異動して現職。
PROFILE|プロフィール
佐藤 一磨
花王株式会社
化粧品事業部門DEWマーケティング担当
2011年花王カスタマーマーケティング株式会社に入社。営業・企画を経て2022年より現職。
自分と向き合う時間
ー まずは、ジャーナリングサービス「Skin&Mind Log」について教えてください。
伊澤 DEWでは、美しくなることはもちろん、スキンケアをする時間自体も充実させ、それによって日々の生活もより充実させることを目指しています。現代の忙しい毎日の中では”自分時間“の大切さを忘れてしまいがちなので、自分と向き合う習慣づくりをサポートすることで、充実した日々を過ごしていただきたいという想いで、Skin& Mind Logを開発しました。
伊澤 AIが思考と感情を分析してフィードバックをくれるジャーナリングアプリ「muute」とのコラボレーションよって共同開発されたSkin&Mind Logは、同アプリにも実装されているジャーナリング機能[1]に加え、その日の肌の状態やスキンケア内容を記録することができます。DEW LINE公式アカウントを友だち追加すると、トーク画面から利用できます。
[1]Skin&Mind Logで提供されるジャーナリング機能は「muute」で実装されているものとは一部異なる
ー 「muute」とのコラボレーションに至った経緯とは。
佐藤 「muute」を展開するミッドナイトブレックファスト社様が、もっと日本でジャーナリングを普及させたいという考えを持っていることを知りました。弊社としても新たな体験として、ジャーナリングを通じて一人ひとりの肌にもっと寄り添えないか、というところがあり、意見が合致したのがきっかけです。お互いに新しいものを求めているという点で、今回のコラボレーションが実現しました。
ー DEWでは、なぜジャーナリングに注目したのでしょうか。
伊澤 たとえば、化粧水をつけている時間は他の趣味とは少し違って、手で肌を触りながら自分と向き合う時間でもありますよね。そのようなスキンケアの時間を活用して、ジャーナリングを取り入れられないかと考えました。また、私自身、「muute」を使用していて、今までに気づけなかった自分に気づけ、それが日々の充足につながっている実感がありましたので、それをDEWと掛け合わせたいという想いもありました。
Skin&Mind Logは、今の気分をテキストで自由に書くことも、その日の肌の調子やどんなスキンケアをしたのかなどを記録することもできます。その後、日々の入力データに基づき、1週間ごとにフィードバックが届きます。そして、そのユーザーが惹かれるかもしれないDEWのアイテムが表示される仕組みとなっています。このようにSkin&Mind Logを通じてジャーナリングを繰り返し行うことで、新しい自分を発見できるようなサービスになればいいなと考えています。
伊澤 Skin&Mind Logの理想像としては、日々の蓄積されたデータから、自分でも気づかなかった意外なことに気づけることだと考えます。そのために、DEWとしてもそれぞれのユーザーの感情に寄り添ったメッセージをお送りできるとより良いと思っています。ただ、弊社ではまだそこまで実現できていないので、今後のビジョンとしてそのようなことを目指しています。また、DEWでは今後、Skin&Mind Logを通じてLINEなどのツールを使った通知配信が中心となっていく予定です。商品の話だけではなく、スキンケアやその他のトピックも扱うことで、新しい顧客との関係性を構築していけたらと思っています。
ー 「Skin&Mind Log」の開発にあたり、課題となった点はありますか。
伊澤 弊社ではジャーナリングを扱うサービスの開発経験がなかったため、その分野における知見が不足していました。そもそもジャーナリングは国内の事例もまだあまり存在しないので、開発段階で難しいと感じることが多かったですね。
また、ジャーナリングの知見がある方も社内にほとんどいなかったので、社内での検討や確認が多く、下準備にも時間がかかりました。しかし、今回はミッドナイトブレックファスト社様のフォローもあり、多くの協力を得ながら開発を進めることができました。
佐藤 Skin&Mind LogはDEW公式LINEアカウント内のコンテンツとなるため、継続するのが難しいと感じるユーザーもいらっしゃるようです。そこで、今後は様々な機能を追加することで、ユーザーが続けたいと思うようなツールにしていきたいと思っています。加えてジャーナリングの認知を広めていくことも今後の課題だと考えています。まだジャーナリングを知らない方にも、Skin&Mind Logを通してジャーナリングとはどんなものなのか体験してもらいたいですね。
基盤は大きく変わらず、少しずつバージョンアップされている
ー コロナ禍以降、ビューティーテック(スキンケアやメイクといった美容分野にデジタル技術やIT、スマートフォンや家電製品、デジタルガジェットを組み合わせた製品・サービスのこと)への期待が高まっているかと思います。その潮流に変化は感じますか?
伊澤 個人的な肌感ですが、より高まってきていると感じますね。今の肌の状態を正確に把握するために、弊社でも様々なサービスがありますが、現在の状況を考えると、このようなサービスはますます必要になってくると思います。技術が進歩していくなかで、ビューティーテック分野ではどのような変化が起こるのかは興味深いですね。
佐藤 ビューティーテック自体の基盤は大きく変わっていないように感じており、少しずつバージョンアップされているという感じがします。これまで店舗でしかできなかった今の肌状態を詳細に調べるといったことが、コロナ禍をきっかけにスマホ一台で自宅で手軽にできるようになったかなと。弊社も、今後もさまざまなテクノロジーを駆使し、顧客それぞれのニーズに合うサービスや商品のさらなる展開をしていけたらと思っています。
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