一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構(以下、JFWO)が、「Rakuten Fashion Week TOKYO 2023 A/W」のSDGs関連イベントを開催している。会場の渋谷ヒカリエ8階では3月16日から18日の期間、日本のテキスタイルメーカーやまぎんが自社開発したサステナブル素材「ゼロテックス(ZERO-TEX®)」を用いる学生のファッションコンペティション「ZERO-TEX®presents『個性を尊重し長く着用できる服』」で賞を受賞した3人の学生作品やZERO-TEX®のサンプルを展示。高崎オーパ2階でも展示を行う。
やまぎんは、東京、大阪、上海、シリコンバレーに拠点を持つ創業23年の日本のテキスタイルメーカーで、ゼロテックスは、製造工程のCO2排出量を52%削減し、染色工程時の水使用量を70%削減して作られたサステナブル素材。高い撥水性とUPF50+の紫外線カット力を備え、軽量であるほか100回乾燥機にかけても3%程度しか縮まず色落ちもほぼないイージーケアな素材で、環境だけでなく人にも優しい素材として打ち出している。やまぎんの西川明秀 代表は自身が大のファッション好きで、世界2位の環境汚染産業と言われる繊維産業が悪と叫ばれる現状をファッションを楽しみながら変えることができる素材を作りたいと考えてゼロテックスの開発を開始。2030年までに生産時の温室効果ガス排出を実質ゼロにすることを目指している。ゼロテックスは、主に企業の制服や医療現場などに採用されているが、今後は日常着にも使われるようになることを目指し、今回初めて「Rakuten Fashion Week TOKYO」に参加した。
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展示の開催に併せて、3月16日にはアーティストのShoKonishi(小西翔)と、ニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)に通う、池上智慧子、池谷友里、古月梨紗の3人の学生と西川代表が登壇したトークイベントが行われた。制作中に大切にしていることを学生から問われたShoKonishiは、「学生時代出身地の高知県の自然をインスピレーションソースに服作りをしていたが、ファッション業界の環境汚染について知り、ファッションデザイナーを志す自分の立ち位置にジレンマを感じた」と話し、そこでファッションデザイナーとしてどう社会に貢献できるかを考え、素材の原料になる植物や動物を学ぶためにパーソンズ美術大学院でバイオロジーを専攻。デザイン以外のことを視野広く学ぶことで、責任ある考えを持てるようになったという。加えて「ファッションは、誰かが着用してくれることで成立する産業であるため、人と環境をリスペクトしながら、継続して期待に応え続けるための長期的なヴィジョンを持ち続けることが大切」だと未来のデザイナーたちにエールを送った。
■展示イベント「ZERO-TEX®が奏でるサステナブルストーリー ~100年先も楽しめるファッション業界の構築~」
会期:2023年3月16日(木)〜3月18日(土)
会場:渋谷ヒカリエ 8/COURT
公式サイト
■サテライト展示
会期:2023年3月16日(木)〜3月18日(土)
※楽天ファッションウィーク会期終了後は高崎オーパ独自イベントとして3月19日(日)から3月26日(日)まで引き続き展示する。
会場:高崎オーパ2階
ZERO-TEX®
Image by: FASHIONSNAP
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