「イレニサ(IRENISA)」が、渋谷ヒカリエホールAで2023年秋冬コレクションを発表した。ブランド初となるフィジカルショー形式で、「Rakuten Fashion Week TOKYO 2023 A/W」の開幕を飾った。
イレニサは、「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」出身のパタンナー小林祐と、「サポート サーフェス(support surface)」で企画、生産、デザインを経験した安倍悠治のデュオによって2020-21年秋冬シーズンにデビューしたメンズウェアブランド。テイストの違うブランド出身で、アイデアやデザインのアプローチも違う2人が共通する美意識を持って服づくりに取り組んでいる。
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2023年秋冬コレクションのテーマは「HAZY MOON(朧月)」。はっきりとした形を持たずに移り変わる光や風、水、植物などの自然の表情に見られる「自然原理」の美しさからインスピレーションを受け、染織や縫製の職人技術と掛け合わせた。
ランウェイショーは、暗転後、朧月明かりを想起させるぼんやりとした光が浮かびあがりスタート。京友禅の職人の手で刷毛染めされたストールは、染料が生地に染み込む具合を自然のままに委ね、人が手を加えすぎないようにすることで、自然が作り上げるものと職人の手仕事との美しいバランスを追求した。同様に刷毛染めされたコーデュロイのセットアップは、表面にしか色が付けられない通常のプリントとは異なり染料が染み込むことでレイヤーが生まれ、奥行きのある色味で仕上げられている。柿渋染めのベージュのセットアップは、酸化することで色味が変化していく、経年変化が楽しめるアイテムとなっている。
2022年に「TOKYO FASHION AWARD」を受賞したイレニサは、2023年1月にパリで展示会を実施。パリで今まで以上に多くの目に触れる機会が得られたことに手応えを感じたと言い、海外でも「自分たちのものづくりの考え方をしっかり伝えていければ」と語った。
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