ANAグループのエアージャパンが、2024年2月に就航予定の国際線新ブランド「Air Japan」の制服を発表した。制服は、ボトムスをスカートとパンツ、シューズはスニーカーやパンプスフラットシューズ、革靴をラインナップし、乗務員が性別を問わず好きなものを選択できるANAグループで初となる「ボーダーレス」なデザインを採用した。
エアージャパンは、「Fly Thoughtful」をコンセプトに、機内食には予約制で日本各地のさまざまな日本食を揃え、東京藝術大学の学生が作曲した和楽器で演奏される機内BGMを実装するなど、世界に向けて「日本らしさ」を打ち出して展開する。座席は全席エコノミークラスでありながら、一般的な国際線のエコノミークラスシート以上のゆとりがある座席空間を実現した。ブランドカラーは日本の伝統色である「藍色」と「曙色」。藍染の色である藍は日本の丁寧な技巧を、曙色は日本の四季の中から、春の「日の出」の心地よい暖かさを表現している。
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制服は、ボトムスはスカート1型とパンツ2型、シューズはスニーカーをはじめ、パンプスや革靴などを揃え、コーディネートの幅を広げた。顧客に「Thoughtful(優しさや気遣い、思いやり)」を提供するためにはまず客室乗務員の個性を大切にすること、環境にも配慮した制服とすることなど、「すべてにやさしい」をコンセプトとし、企画段階から現役の客室乗務員へのヒアリングを重ね、オンワード商事のユニフォームプロデュース部門のデザインチームがデザインと製造を担当した。客室乗務員からは、背伸びをしたり屈んだりといった客室乗務員特有の体の動きに無理がない制服への要望が多く挙げられ、乗客から見た時にカジュアルになりすぎず品のあるデザインであることも期待されたという。この要望を受けてデザインされたスカートは、日本の伝統モチーフである「重ね」のディテールを用いてスリットの上に布を重ね、背伸びをしてもスカートの中が見える心配がなく高い可動性を確保しながら品のあるデザインに仕上げた。ジャケットの帯ベルトには、顧客との縁や思いやりの意味を込めた日本の「結び」のモチーフが用いられている。トップスには、ブランドカラーの2色以外に男女ともに似合いやすく明るいカラーの「藍白」を採用。暗くなった機内でも華やかさがあり認識もしやすいとしてオンワード側が提案したという。
今回は、性別だけではなく体型も問わずに着用できる制服を目指して開発。ジャケットはベルト穴のない布製の帯ベルトを輪に通す形で固定するため一人一人のサイズに合わせて着用が可能で、ジャケットの袖とボトムの裾はオリジナルのアジャスターをつけることで裾上げをせずに丈の調整ができる。スカートは男性が穿くことも考慮して設計したという。ジャケットやパンツなど一部アイテムは、同じものを乗務員同士でシェアして着用することで、必要以上の在庫を持たない衣服ロスの問題への取り組みも実現した。
近年は、ジェンダーレス、ボーダーレスな制服デザインのために企業が著名デザイナーに依頼をすることも多いが、エアジャパンの制服はユニフォーム制作への知見が深い無名のデザインチームが現場の意見に伴走することで生まれたデザインだとしている。デザイナーの安ケ平悠里は、幼少から空港に行くたびにさまざまな航空会社の制服を観察し、今回のためには国際線として海外の空港やインバウンドの乗客からの日本の見られかたを意識するために海外の航空会社のリサーチなどを多く行ったという。安ケ平は「昔から飛行機や空港が好きで、いつか客室乗務員様の制服をデザインしたいと密かに思い描いていた夢が叶いました。たくさんの想いを込めた制服が、皆様の記憶の一部となり客室乗務員の皆様、そしてお客様を笑顔にする空間づくりのお手伝いができたらとても幸せです」と喜びをコメントした。
Image by: FASHIONSNAP
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オンワードのデザインチーム
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