東京駅前に建設された大型複合施設「東京ミッドタウン八重洲」の内部が3月10日のグランドオープンを前に、関係者向けに公開された。商業ゾーンは初出店6店舗、新業態9店舗、東京初出店11店舗、商業施設初出店21店舗が揃い、「シーエフシーエル(CFCL)」や西陣織の細尾が東京に初出店する「HOSOO TOKYO」など計57店舗が出店。1年間で売上70億円、年間来館者数1000万人を目指すという。
東京ミッドタウン八重洲は、東京駅前3地区で進んでいる再開発事業の皮切りとなる大規模再開発プロジェクトと位置付けられ、地下2階、地上45階構成。計約30万平方メートルの延床面積に商業ゾーンやオフィスのほか、一日の発着便数約600便、半年の利用者数約160万人の「バスターミナル東京八重洲」や、中央区立城東小学校、交流・創発の拠点「イノベーションフィールド」といった施設を備え、地上40階から45階には「ブルガリ ホテル 東京」が4月4日に開業するなど、「これまでに類を見ないミクスドユース型施設」(三井不動産 菰田正信代表取締役社長)を体現した。なお、オフィスフロアはすでに満床だという。
ADVERTISING
施設コンセプトは「ジャパン・プレゼンテーション・フィールド~日本の夢が集う街。世界の夢に育つ街~」。地下1階から地上3階までの商業ゾーンには、日本の歴史や文化、クラフトマンシップといった“ジャパンバリュー”が感じられるテナントを揃えた。
ファッションやライフスタイルにまつわるテナントが並ぶ地上1、2階には、シーエフシーエルや、西陣織のHOSOO TOKYOのほか東京拠点のスポーツチーム団体プロジェクト「トウキョウ ユナイト(TOKYO UNITE)」初の店舗や、「オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)」のNIPPON MADEシリーズに特化した「ONITSUKA TIGER NIPPON MADE」、三陽商会の「サンヨーコート(SANYOCOAT)」と「三陽山長」の初の複合業態「三陽山長 粋」などが出店。八重洲エリアで働くオフィスワーカーからインバウンド客まで幅広い集客が見込める立地から、テナント選びでは日本をベースに様々な客層が楽しめるように意識したという。ビューティカテゴリーでは、LVMHグループ系列の投資会社Lキャタルトンアジアが出資するCi Flavorsから昨年誕生した新ブランド「アーレス(AHRES)」、リンクが手がける気鋭のフレグランス・ヘアケア・ボディケアブランド「リンク オリジナル メーカーズ(LINC ORIGINAL MAKERS)」が新たにオープンする。
Image by: FASHIONSNAP
また、地上2階には公共スペースとして「ヤエスパブリック」を配置。約820平方メートルの空間を、物販・休憩エリア「イチジテイシ」、路地裏のような空間「八重洲のロジウラ」、立ち飲みスポット「ALLSTANDS」の3つのゾーンで構成している。地上3階は飲食店が並ぶダイニングバーフロアとしてオープン。先行オープンしている地下1階では軽飲食店を中心に13店舗が営業している。
Image by: FASHIONSNAP
商業ゾーンのデザインコンセプトには「TOKYO FACE」を掲げ、多様性や様々な表情を表現するためにあらゆる建築様式や素材を組み合わせ、回遊性や賑わいを創出。地上1階のエントランスにはHOSOOのテキスタイルとランドスキップのデジタルアートを融合した高さ約11m、幅約7.5mのコの字型のエントランスゲート「Nishijin Reflected」を設置した。そのほか、エレベーターホールの壁面には左官職人の久住有生による左官仕上げを施すなど随所にクラフトマンシップが感じられる空間をデザインしたという。
「東京ミッドタウン」の名を掲げた複合施設は六本木、日比谷に次いで八重洲で3軒目。東京駅東側エリアでは東京ミッドタウン八重洲のほかに、2025年度に八重洲一丁目東B地区、2028年度以降は八重洲二丁目中地区の再開発が竣工する計画だ。3地区全体では小学校やラグジュアリーホテルのほか、サービスアパートメント、インターナショナルスクール、劇場など展開する予定で、菰田社長は「国際競争力に貢献したい」と考えを述べた。
菰田社長は今年4月1日付で同職を退き、代表権を持つ会長職に就任する。東京駅東側エリアの再開発についての構想を練ってきたという同氏は、退任を前に東京ミッドタウン八重洲のグランドオープンを迎えられることについて「(社長就任時の)12年前に目指した姿が現実のものとなりつつある。不動産開発は10〜20年がかりになるので、社長の時代にどこまでできるのかは運や縁がないとできない。このようなプロジェクトが竣工してオープンを迎え、商業施設もユニークな魅力ある店舗に入っていただき感無量だ」とコメントした。また、「ミッドタウンは集大成ではない」とし、「許されるならば4つ目、5つ目と、ミッドタウンそのものをさらに進化させていきたい」と期待を込めた。
■東京ミッドタウン八重洲
所在地:東京都中央区八重洲二丁目地内
地下1階先行オープン:2022年9月17日(土)
グランドオープン:2023年3月10日(金)
■出店店舗
【1階/A-2街区】
AHRES、EN VEDETTE LUXE、ONITSUKATIGER NIPPON MADE、金子眼鏡店、三陽山長 粋、CFCL YAESU、GELATO PIQUE HOMME、HARIO Lampwork Factory、HOSOO Tokyo、PORTER、POINT ET LIGNE、LINC ORIGINAL MAKERS
【2階】
Editorial、GINZA Global Style COMFORT、Queensway LUX、STÁLOGY、津軽びいどろ、TO&FRO、TOKYO UNITE、Hacoa DIRECT STORE、メーカーズシャツ鎌倉MEN'S
【2階・ヤエスパブリック】
立喰酒場 金獅子、オルソー、ta.bacco、スタンド BUCHI、CATARATAS YAESU、BLUE TOKAI COFFEE、かき氷コレクション・バトン、POPUPラーメン、221 TOKYO、PALPITO、HERALBONY
【3階】
山内農場、FLOWS GRILL|BAR、ラ・テラッツァ サバティーニ、炭焼 うな富士、炉端 紅焔、千葉たかおか、酛TOKYO、Aux delices de dodine、加藤牛肉店 小川のうに、創作料理 YAESU BISTRO、目利きの銀次
【地下1階】
Anker Store、ウエルシア、THE CITY BAKERY、STARBUCKS COFFEE、セブン-イレブン、TASU⁺ 、立食い寿司 根室花まる、鳥開総本家、芝蘭担々麺、PARIYA DELICATESSEN、Biople、フリホーレス、ポーたま
ADVERTISING
RELATED ARTICLE
関連記事
READ ALSO
あわせて読みたい
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境