今春は全国的に高気温の予報、6月以降は冷夏か猛暑という予報
早いもので今日で2月も終わりである。
ADVERTISING
2月は逃げるとはよく言ったもので、3月は去る、そしてだいたい毎年気が付けば4月である。
さて、以前からも書いているように、体感気温の高低というのは衣料品の販売において特に重要であり、如実に商況を左右する。
季節先取りで買うという人はゼロではないが、20年前・30年前と比べると大幅に減っていると感じる。実際にある程度の中価格帯・高価格帯でも気温のせいで商況が大きく左右されたと発表される。
2022年秋冬の気候を振り返ろう。
当方の基準は大阪市内である。そこはご了承いただきたい。
10月・11月は気温が高めだった。特に11月はかなりの高気温で一向に肉厚な長袖を着ることができなかった。(当方の体感基準)
12月も上旬は高気温だったが、10日過ぎから気温はやっと低下した。しかし、極寒というほどではなく。例年なら11月並みの気温ではなかったかと感じた。
実際に分厚い防寒アウターは着用できなかった。
10年前までなら、12月に入ると劇的に寒くなったが、2015年以降の12月は体感気温が高めである。
そして、12月22日の午後から大寒波が襲来した。23日は久しぶりのクリスマス寒波で極寒の日だったが、24日には強風もやんで25日からはまた気温が高くなった。これ以降暖かかったので年末大掃除は捗った。
年が明けても正月以降中旬くらいまでは暖かい日が続いた。
そして、1月23日から大寒波が襲来した。今度はクリスマス寒波よりも寒さが続いたが1週間くらいで緩んだ。
2月はさすがに寒いが、1月に襲来した寒波ほどでもなく、10日過ぎから比較的暖冬になった。この辺りから春の特徴である三寒四温が始まったような感じで、寒い期間と暖かい期間が交互に訪れた。
そして、2月24日、25日、26日は寒かったが、27日からまた暖かくなって2月28日を迎えた。
当方は12月・1月・2月を冬だと認識しているので、この冬の期間は寒波の襲来はあったものの、その期間が短く、それ以外の日は暖冬傾向だったといえるだろう。
28日の最高気温はさらに上がる予想であり、3月以降はさらに最高気温は高くなると予想されている。
このところ、更新のたびに欠かさず見ている天気のYouTubeチャンネルである。
これによると、3月~5月は沖縄を除いて全国的に高気温が続くとのことである。
さらにこの後に更新された回では、3月は全国的に10年に1度の高気温だとされており、実際の天気予報でも2月28日以降、大阪の最高気温は15度超えが続いている。
となると、衣料品販売に置き換えてみると、2月28日以降は春物の動きが良くなると考えられ、さらに夏物も早くに動き出す可能性が高いと考えられる。
20年くらい前だと、5月のゴールデンウィークにすでに最高気温30度前後にまで高くなったことがあって、すでに半袖の夏物で生活していた。
そこまで高くなるかどうかはわからないが、そういう半袖生活が始まる可能性もあるから夏物の需要は4月以降増えるだろう。
一方、6月以降(6月~8月)の夏だが、このYouTubeチャンネルでも確定的なことはわからないらしく、
1、エルニーニョ現象が起きたら冷夏になる(雨も多くなるかも)
2、エルニーニョ現象が起きなければ猛暑になる
と予測されており、今の段階ではエルニーニョ現象が起きるかどうかもわからないが、起きる可能性は昨年より高いという状態のようである。
アパレル各社ではすでに夏物の企画は大詰めを迎えており、そろそろ一部商品が出来上がるくらいのタイミングといえるが、冷夏・猛暑どちらにも対応できるような構えが必要だろう。
猛暑になるようなら、今走っている夏物の体制で構わないが、もし冷夏なら何らかの対策が必要になる。
冷夏と言っても、最高気温は30度前後くらいだろうから、冬のような寒さではない。
自分の記憶が確かなら、2004年は比較的冷夏で最高気温もだいたい30度~31度の日が多く、35度の日は無かった。
恐らくはそういう気温になるだろうと考えられる。
夏物が全く売れないというわけではないが、猛暑下よりは売れ行きが鈍るのではないか。特に涼感に特化したような素材や電動ファン付きベストなどの商品は当初の販売計画に届かない可能性が高い。
冷夏予報が確定するのは恐らくは早くても4月以降、遅ければ5月下旬という時期だと考えられるので、その頃には夏物の現在の計画は変更不可能だろう。
どのような対策があるのかと当方なりに考えてみたがちょっと名案が思い付かない。強いて挙げるなら、春物の残っている長袖を再度投入するか、秋物の長袖投入時期を早めるか、だろう。
また、冷夏が確定すると恐らくは6月の梅雨の時期に季節外れの低い気温の日「梅雨寒」があるだろうから、それに対応できるように薄手の長袖カーディガンや羽織用のシャツなどを店頭のストックなどに常備しておけばどうだろうか。
YouTubeはくだらないチャンネルも多いが、この手の天気予報解説なんかは非常に役立つ。少なくともこれまでの気象庁の発表を読むよりは素人にも理解しやすい。
衣料品販売は、一部の強いブランドを除いては気温に大きく左右されるのだから、アパレル経営者やマーチャンダイザー、プロデューサーなどはこの手の情報を逐一チェックして常に対策を頭の中で練っておく必要があるのではないか。
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【南 充浩】の過去記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境