スマートフォンの普及に続き、急速に浸透しつつあるスマートウォッチ。歩数や心拍数、トレーニングの状況など、自身のコンディションに関するログが取れることはもちろんのこと、ここ数年ではさらに正確なバイタルデータをゲーム感覚で取得することも可能に。
データの信頼性も日々高まっており、健康診断をはじめとする医療の現場にも浸透しつつあるなど、自身の健康状況を見直すきっかけになったという人も少なくないだろう。
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高性能・高価格帯の製品開発がますます加速するスマートウォッチムーブメントだが、先日、アメリカ屈指の時計メーカー「フォッシル」から電子ペーパーを取り入れたスマートウォッチシリーズに新作がリリースされ、注目を集めている。
そこで今回、株式会社フォッシルジャパンでPR Specialistを務める平野美恵子さんにインタビュー。製品の魅力とともに、同社のスマートウォッチ開発の歩みについて話をうかがった。
創業当初からブレない、ファッションウォッチという独自性
時計好きにはお馴染みのブランド「フォッシル」は、1984年にアメリカで創業したライフスタイルブランド。発足当初から「1950年代の古き良きアメリカ」のデザインがインスピレーションのひとつとして取り入れられるなど、同社は創業以来アメリカの創造性や独創性にインスパイアされた商品を続々と発表してきた。
「フォッシルは時刻表示の道具という時計の価値観を超越し、楽しさと親しみやすさを兼ね備えた高品質でファッショナブルな製品をご提案することで、時計業界に新たな息吹を吹き込みました」。
そう語る平野さん。以来、フォッシル=ファッション性というスタンスからブレることなく、世界的に知られるファッションウォッチブランドとしてその地位を確立。長年重視してきたオーセンティックなアメリカンクラシックデザインは多くの人々から支持されており、製品のみならずパッケージにも反映されてきた。そのことを象徴するのが「Tin-Can(ティン缶)」と呼ばれる缶のパッケージだ。
「近年では地球環境を考えたサステナブルな商品づくりにも力を入れるなど、アメリカンクラシックなデザインという基軸はそのままに、時代に合わせたモノづくりやチャレンジを積極的に行ってきました。そのひとつが、弊社が手がけるウェアラブルデバイスです」。
機能性を進化させながらも、ファッションアイテムとして再解釈
フォッシルが初めてウェアラブルデバイスを手がけたのは、2016年のこと。そのきっかけとなったのは、2015年11月にウェアラブルの技術を持つ「Misfit社」がフォッシルグループの傘下となったこと。フォッシルはウェアラブル技術の開発力や生産力を強化し、以来、本格的にウェアラブル市場に参入。日本では2016年の秋、第2世代モデルのリリースに合わせて販売を開始している。
「フォッシルのウェアラブル(スマートウォッチ)製品の特徴を挙げるとすれば、従来“ガジェット”として認知されていたスマートウォッチを、一般の人にも使える“ファッションアイテム”として日常に取り入れやすいものとして再定義している点です。
さらに、これまで培ってきた技術を存分に駆使することはもとより、ウェアラブル製品に多様性を求める消費者の需要に対して、ご自身のスタイルにあった選択肢をご提案することを目指し、製作・販売をスタートさせました。以降、機能面とデザイン面で進化を繰り返しながら、現在は第6世代の製品を世に送り出しています」。
高性能とファッション性を高度に融合した、手頃な価格帯のウェアラブルデバイスという新たな選択肢を生み出したフォッシル。従来のアメリカンクラシックなニオイも踏襲しつつ、さまざまなファッションにマッチする製品は多くのファンに支持されている。
さらに、2023年の1月にリリースし話題となったのが、「Gen 6 HYBRID WELLNESS EDITION」。アナログウォッチデザインとスマート機能を融合した、「ハイブリッドスマートウォッチ」と呼ばれるカテゴリーの新作モデルだ。
電子ペーパーが加速させた、頼れる長時間駆動
最新コレクション「Gen 6 HYBRID WELLNESS EDITION」は、2022年6月に発売した「Gen 6 HYBRID SMARTWATCH」のウェルネスエディション。心身の健康をサポートすべく、主要なウェルネス指標のトラッキングをはじめ、専用アプリを通じたデータ管理の利便性がアップ。
最大2週間(使用状況により異なる)のロングバッテリーに加え、お好みのAlexa機能へのアクセスや、SpO2(血中酸素濃度)、VO2Max(身体が消費できる最大酸素摂取量)予測値、心拍数の計測、さらにはワークアウトの開始を自動検知してくれるなど、数多くの機能が充実している。
そして最大の特徴は、少ない消費電力で表示内容を自在に書き換えることができる「電子ペーパー」をウォッチフェイスに採用している点。この選択はフォッシルの哲学であるファッション性を実現するための要であり、表現力と高度なスタミナをともに手に入れることができたと、平野さんは続ける。
「フォッシルではスマートウォッチの開発において、デザインと機能性を高めるための商品開発を積極的に行ってきました。ハイブリッドスマートウォッチに関しては、省電力の電子ペーパーを採用しています。
最新の『Gen 6 HYBRID SMARTWATCH』では、心拍レートのトラッキングと通知を読むことができる常時オンのディスプレイという、ふたつの重要な機能を追加しました。過剰なガジェット感を出さずに身につけられるスタイルをキープしながら、デジタル情報とのつながりを強く持てるアイテムに仕上げています。
必要な情報をチェックしながらも一度の充電で最大2週間のバッテリーライフを実現するなど、消費電力が少ないのも特徴です」。
『Gen 6 HYBRID SMARTWATCH』の最新作として、よりウェルネスシーンでも使いやすい製品として登場したこの「ウェルネスエディション」は、スポーティーでアクティブな印象のデザインに加え、ウォッチフェイスにはウェルネスに関する主要な統計データをハイライトする、「ウェルネス・ゲージ」を追加。
収集したログデータは、フォッシルスマートウォッチ専用アプリでデータ管理をすることができる。ヘルス&ウェルネスセンサーのアップデートにより、心拍センサーのアップグレードやトラッキングの継続性の向上を実現し、ますます精度を高めているフォッシルのウェアラブルデバイス。スマートウォッチシーンの有力な選択肢のひとつとして、今後の展開も期待される。
Text by Noritatsu Nakazawa(ALTANA inc.)
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