⼤丸松坂屋百貨店が展開するファッションサブスクリプション事業「アナザーアドレス(AnotherADdress)」が、3月1日からメンズの取り扱いを開始すると発表した。これまでウィメンズのみを展開してきたが、顧客やブランドからの要望が多く届いていたといい、事業立ち上げから2年で軌道に乗ったことから“メンズのサブスク”に参入する。
アナザーアドレスは、月額税込5500円から服を自由にレンタル可能。百貨店の強みを活かし、ウィメンズでは「マルニ(MARNI)」「メゾン マルジェラ(Maison Margiela)」「3.1 フィリップ リム(3.1 Phillip Lim)」といったデザイナーズブランドを多数揃えるなど、ラインナップの豊富さを強みとしている。返却時のクリーニング・送料は不要。
ADVERTISING
百貨店初のサブスクリプション型ファッションレンタルサービスとして本格ローンチしたのは2021年4月。事前会員登録を3月に開始したところ、会員数1000人を目標としていた当初の事業計画以上の登録者が集まり、一時は登録受付を休止せざるを得ない状況になるなど反響を呼んだ。現在の会員数は1万5000人超、総レンタル数は約10万着(いずれも2月20日時点)に伸び、対前年の売上成長率は327%増加。平均退会率はわずか約1%と登録者の大半がサービスを継続している状況で、グループ新規顧客率は90%を超えているという。大丸松坂屋百貨店の澤田太郎代表取締役社長はコロナ禍の3年で百貨店企業のあり方を模索する中で、アナザーアドレスはこれまで百貨店をメインに利用してこなかった顧客層の獲得に成功できたことから「新しいお客様を創造するチャレンジの中で、我々の特性を活かしていく象徴的なモデル」と太鼓判を押している。
メンズカテゴリーで扱うのは、「マルニ」「メゾン マルジェラ」「ディースクエアード(DSQUARED2)」といったウィメンズの既存ブランドに加え、「アンリアレイジ(ANREALAGE)」「ワイズ(Y’s)」「ディーベック(D-VEC)」「ティーエイチプロダクツ(th products)」「ターク(TAAKK)」「メゾン ミハラヤスヒロ(Maison MIHARA YASUHIRO)」といった計80ブランド。その多くはジェンダーレスアイテムとしても打ち出す。商品カテゴリーはシューズ以外のフルラインナップを展開する予定だ。
■メンズのブランドラインナップ
JUN OKAMOTO、KICS DOCUMENT.、lelill、LETO、MACKINTOSH LONDON、MACKINTOSH PHILOSOPHY、MAHITO MOTOYOSHI、Maison Margiela、Maison MIHARA YASUHIRO、marka、MARKAWARE、MARNI、martinique gent's、MEGMIURA、MEN'S MELROSE、mintdesigns、MM6 Maison Margiela、MONTEDORO、MSGM、NON TOKYO、Polo Ralph Lauren、PRODUCT LAB.、rag & bone、REMI RELIEF、Rito structure、S.N.S. HERNING、SCYE、SIDE SLOPE、STRASBURGO、T-JK UOMO、th products、THE NORTH FACE、Theory、three dots、TOMORROWLAND、UJOH、ULTERIOR、VIKTOR&ROLF、WARDER、Weekend Max Mara、White Mountaineering、WIZZARD
男性のファッションサブスクとの相性について、事業立ち上げ責任者の田端竜也氏は「女性に関しても、年齢層が上がるとレンタル需要は落ちると一般的に言われていたが、40〜50代の顧客をしっかり取り込めている。同様に、男性は所有欲があるといわれるがジェンダーレスの軸では確信があるので、ステレオタイプにとらわれず、まずはマーケットに提案していきたい」と話した。
メンズの参入に合わせて、ウィメンズでは「コーチ(COACH)」「ディーゼル(DIESEL)」「ニナ リッチ(NINA RICCI)」など60ブランドが新規で加わり、総ブランド数は計173ブランドに拡大。「マークアンドロナ(MARK & LONA)」や「ウノ ピゥ ウノ ウグァーレ トレ(1PIU1UGUALE3)」といったゴルフブランドも追加する。新規ブランドについては順次展開を開始していく予定だ。
また、サステナブルな取り組みも加速させる。これまで商品をダンボールでビニールで包んで配送していたが、新たに再利用可能なガーメントバッグを開発。折りジワの発生を軽減する構造で、特許も出願している。なお、ガーメントバッグを用いた循環型配送は日本初になるという。このほか、脱炭素型繊維「トリアセテート」を使ったサステナブルプロジェクトでは「ファクトタム(FACTOTUM)」など4ブランドと協業し、別注アイテムを製作。対象アイテムは今後順次拡大していく。
2月21日に開かれた発表会ではファッションショーも開催。男女のモデルを使った11体のルックを披露した。メンズのレンタル開始に先駆けて、同日から公式サイトで無料事前予約を開始している。事業の今後としては、ベビー・キッズやゴルフ、アウトドアなど対象カテゴリーを拡大する方針だという。
■アナザーアドレス:公式サイト
発表会に登壇した大丸松坂屋百貨店の澤田太郎代表取締役社長(右端)、アナザーアドレス事業立ち上げ責任者の田端竜也氏(左端)、ジェンダーレスアイテムを着用したメンズとウィメンズのモデル(中央)
Image by: FASHIONSNAP
Image by: FASHIONSNAP
Image by: FASHIONSNAP
Image by: FASHIONSNAP
Image by: FASHIONSNAP
Image by: FASHIONSNAP
Image by: FASHIONSNAP
(左から)アナザーアドレス事業立ち上げ責任者の田端竜也氏、大丸松坂屋百貨店の澤田太郎代表取締役社長
Image by: FASHIONSNAP
ADVERTISING
RELATED ARTICLE
関連記事
READ ALSO
あわせて読みたい
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境